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  • 更新日:2024年03月15日

2023年10~12月中古スマホ取引数ランキング

2023年10~12月中古スマホ取引数ランキング

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iPhone格安SIM通信独自の調査の結果、中古スマホ全体の取引数は、2023年7月~9月と比べて前四半期比14.5%増加しました。 新古品は2.3%増加、中古品は15.7%増加という結果です。

この記事では、 iPhone・Android・iPadの各市場の取引数の変化にくわえ、中古スマホ市場で取引数の多かった端末をランキング形式でご紹介しています。

中古スマホで端末費用を抑えたい方、比較的新しい機種を安く使いたいという方は、「賢い消費」の実現に役立ててください。

※フリーマーケットアプリやインターネットオークション等主要4サイトの取引実績により抽出した価格情報を元に、2023年7月~9月と10月~12月を比較しています。

iPhone8とSE(第2世代)が引き続き上位

iPhone 2023年10~12月中古スマホ取引数ランキング

iPhone全体の取引数は、2023年7月~9月と比べ23.5%増加しました。商品状態の内訳は新古品が2.1%減少、中古品が25.3%増加しています。

2023年9月に新型「iPhone15」シリーズの発売があり、それに伴う買い替えが進んだことで、iPhone全体の取引数は前月比126%と10月にピークを迎え、前四半期より大きく増加しました。

ランキングを見てみると、iPhone8とiPhone SE(第2世代)が引き続きトップ10を大きく占める結果となり、前四半期と同様、変わらず高い人気をキープしています。

iPhone8は、常にトップ10にランクインしながらも、取引数は減少傾向にありましたが、今回の調査では取引数が増加しています。

背景としては、円安によるiPhone価格の値上がりの一方で、中古iPhone8は前四半期比1,300円程度の値下げがされていることが考えられます。平均価格は11,000円程度で、機能性も兼ね備えているため、今なお根強い人気を維持しています。

しかし、iPhone8はiOS17からアップデートサポートが終了しました。セキュリティ面の危険性や、非対応アプリの増加などの影響が予想されるため、今後iPhone8の取引数に変化が出てくるのではないでしょうか。

次に注目したいのが、8位にランクインしたiPhone14 Proです。iPhone15の発売と同時期にApple公式での取扱いが終了したため、中古スマホ市場にユーザーが流れてきた可能性が考えられます。

さらにiPhone15の型落ちとはいえ、最新モデルとほぼ同じハイスペック端末でありながらも、平均価格を約12,000円程度値下げしたことも影響し、前四半期比39位から大幅に順位を上げたと予想します。

そして10位にはiPhone11、ランク外にはなりますが11位にはiPhone12miniが続き、前四半期よりも、比較的新しい機種の需要が高まっている様子が確認できます。

Androidは新たに5機種がランクイン

Android 2023年10~12月中古スマホ取引数ランキング

Android全体の取引数は、2023年7月~9月と比べ2.7%減少しました。 商品状態の内訳は、新古品が6.5%増加した一方で、中古品が4%減少しています。

取引数のランキングを見てみると、前四半期1位に返り咲いたau版 Pixel 6a(128GB)と2位のAQUOS wish2(64GB)は順位が変わらず上位をキープし、新たに5機種がランクインしています。

中でも前四半期から順位を大きく上げ、3位という結果となったau版 Galaxy S22 5Gは、10月に3回目の価格改定があり大幅値下げが実施されています。

中古市場でも前四半期比4,200円ほどの値下げにより、平均価格は55,000円ほどに。新品未使用品が取引数を大きく伸ばしています。

また、4位・5位にはPixel 7a(128GB)のドコモ版、SIMフリー版がランクインしました。こちらも新品未使用品の取引数が大幅に増加し、人気の上昇が伺えます。

Googleストアでのセールやドコモでの端末購入プログラム、格安SIMでの安売りキャンペーンが開催されており、中には半額程度で購入できるものもあったことから、最安値で機種変更をしたユーザーが多くいたことが推測できます。

iPad mini4の取引数が好調

iPad 2023年10~12月中古スマホ取引数ランキング

iPad全体の取引数は、2023年7月~9月と比べ22.9%減少しました。商品状態の内訳としては、新古品が7.7%減少、中古品は23.1%減少しています。

全体の取引数の不調に対して、iPad mini4の取引数は前四半期に続いて好調となっており、1位・2位を占めています。どちらもドコモ版のiPad mini4ですが、ストレージ容量の大きい128GBが1位にランクインしました。

128GBモデルは、前四半期1位だった16GBとの価格差が3,000円程度であり、平均価格は前四半期より約3,000円の値下げとなっています。20,000円を切る価格に下落してきたことも、取引数の増加につながった要因だと推測できます。

全体的に順位の変動はあるものの、ランキングの機種は大きく変わらず、引き続きiPad mini4、iPad Air2、iPad (第5世代)、iPad (第6世代)の4機種を中心に取引されています。第5位になったau版iPad mini5(64GB)は、前四半期19位から大きく順位を上げ、新たにランクインする結果となりました。

iPad mini5は2019年に発売され、持ち運びがしやすいコンパクトなサイズと軽さが特徴のモデルで、価格の安さからも初めてiPadを購入するユーザーに特に魅力的な機種となっています。

総評

2023年10月~12月は、前四半期の2023年7月~9月と比較するとiPhoneは増加した一方で、Android、iPadのいずれも取引数が減少する結果となりました。

iPhoneに関しては、前四半期の顔ぶれが大きく占めるなか、iPhone15シリーズの発売に伴う買い替えが進んだことで、10月をピークに取引数が大幅に増加しました。

中でもiPhone14 ProやiPhone11などのランクインにより、比較的新しい機種の需要が高まっていると見受けられます。背景には円安の影響によるiPhone価格の値上がりがあると推測できますが、「最新技術や高い機能性」を求めるユーザーも増えていると言えるでしょう。

AndroidとiPadに関しては共通して、ハイスペックさよりも必要十分な機能があり、手軽に購入できるエントリーモデルが取引数を伸ばしていることがわかりました。

2023年12月27日より「1円スマホ」の新たな規制が導入され、12月は駆け込み需要が高まったと見られていますが、中古スマホ市場における12月の初速では、取引数に大きな変化はまだ見られない状況となっています。

しかし今後は、引き続き円安や部材費の高騰、ハイスペック化に伴う新端末の高価格化に加え、端末の値引き規制により中古スマホ需要は増していくと想定されます。今回調査でのiPhoneのように、新しい機種を求めるユーザーも増加することが考えられ、中古スマホ市場が活性化していく状況に期待が高まります。

アナリスト 菅野 辰則 ― ライター
アナリスト 菅野 辰則 ― ライター

1983年生まれ。株式会社マーケットエンタープライズ  中古モバイル市場アナリスト
ソフトウェア開発会社にて、開発業務からスタートし、新会社設立時のWebマーケティング全般の業務を担った後、2010年にマーケットエンタープライズに入社。 当社でWebマーケティングの責任者や経営企画を担当後、現在は、メディア・プラットフォーム事業の責任者に従事する。膨大なデータの分析・管理能力を活かして、中古モバイル市場の動向を分析するアナリストも兼任する。

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