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pingが高い原因は3つ|距離・経路・混雑の仕組みと下げ方

5分で読めるかしこいネット編集部
基礎知識
  • #速度
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速度テストでは500Mbps出ている。ルーターは新しいものに買い替えた。LANケーブルも有線で繋いでいる。それなのに、Apexで撃ち合いに負ける。pingを見ると50ms超え——「速度は出ているのに、なぜ」と首をひねった経験はありませんか。

  • ルーター再起動も有線化も試したのに、pingが下がらない
  • 昼間は10msなのに、夜だけ100ms超える理由が分からない
  • 速度が速いなら回線は問題ないはず、と思っていたのに撃ち負ける

宅内でできることは一通り試したなら、問題は宅内の外にあるかもしれません。pingが高くなる原因は、速度とは無関係の3つの要因——距離・経路・混雑——にあります。本記事では、なぜpingが高くなるのかを仕組みから解説し、今すぐ試せる対処法と根本解決の選択肢を順番に整理します。

この記事のポイント

  • pingと速度は別物。速度が速くてもpingが高いのは、回線の「往復時間」が遅いから
  • pingが高くなる原因は「距離・経路・混雑」の3つ。どこに原因があるかで対処法が変わる
  • 宅内改善→IPoE方式→回線変更の順で対処。ホームルーターは構造的にping高めになりやすい
目次

pingとは何か——速度とは別の「応答時間」

pingとは、自分のパソコンやゲーム機から相手のサーバーまでデータを送り、返ってくるまでの往復時間のことです。単位はms(ミリ秒)で、数字が小さいほど反応が速く、大きいほど遅延が生じます。

ゲームの世界では、pingは「ラグ」に直結する重要な指標として知られています。速度(Mbps)とは何が違うのか、なぜ速度が速くてもpingが高くなるのかを、まず整理しておきましょう。

pingが高いとゲームで何が起きるか

FPSやTPSのような対戦ゲームでは、自分の操作がサーバーに届くまでの時間がそのまま勝敗を分けます。

  • 先に撃ったはずなのに、相手に撃ち負けた——自分の画面では先に撃っていても、サーバーには相手の弾が先に届いている
  • 敵がワープしたように見えた——相手の位置情報が遅れて届き、突然違う場所に現れる
  • 壁に隠れたのに撃たれた——自分の画面ではすでに壁の裏。でもサーバー上ではまだ撃たれる位置にいた

これらはすべて、pingが高いことで起きるサーバーとの同期ズレです。

目安として、FPSなら15ms以下が理想、20ms以下で快適、50msを超えると撃ち負けが目立ち始めます。100msを超えると、明らかに「ラグい」と感じるプレイヤーがほとんどです。※上記は本記事での目安であり、業界共通の基準ではありません。

なお、ゲームのラグに関わる指標はpingだけではありません。jitter(揺らぎ)パケットロス(データの欠落) も重要ですが、本記事ではpingの原因と対処法にフォーカスします。jitterやパケットロスの影響と、それを踏まえた回線の選び方はゲーミング回線の選び方|ラグの原因と必要な速度・Ping値を解説で詳しく解説しています。

速度が速くてもpingが高い理由

「速度が500Mbps出ているから、回線は問題ないはず」——これはよくある勘違いです。速度とpingは、そもそも測っているものが違います。

  • 速度(Mbps): 一度に運べるデータの量。高速道路の車線の広さに相当
  • ping(ms): データの往復にかかる時間。目的地までの距離と所要時間に相当

高速道路で考えてみてください。車線が10車線あっても(速度が速くても)、目的地が1,000km先なら到着には時間がかかります(pingは高い)。逆に、車線が2車線でも(速度が遅くても)、目的地が10km先なら数分で着きます(pingは低い)。

つまり、速度とpingは連動しません。速度テストで500Mbps出ていても、pingが50msを超えることは普通にありえます。速度が速い=回線に問題がない、ではないのです。

pingが高くなる3つの原因

対処法を試す前に、なぜpingが高くなるのかを知っておきましょう。原因を特定すれば、有効な対処法が分かります。

pingが高くなる原因は、大きく3つに分類できます。

原因概要自分で変えられるか
距離サーバーまでの物理的な距離が遠いサーバー選択で一部対応可
経路通信が通る道の構造が複雑・非効率回線変更で対応可
混雑回線が混み合い、順番待ちが発生IPoE方式や回線変更で対応可

それぞれ、仕組みを見ていきましょう。

物理的な距離——サーバーまでの距離が遠い

光ファイバーの中を通る光は、1秒間に地球を5周ほどする速度(ガラスの屈折率の影響で、真空中を進む光より遅くなります)で進みます。それでも、距離が遠ければ往復時間はかかります。

  • 国内サーバー(東京など): 10〜20ms程度
  • アジアサーバー(台湾・香港・シンガポール): 30〜80ms程度
  • 北米・欧州サーバー: 100〜200ms以上

※上記は経由するインターネット交換点や回線状況によって変動する、一般的な目安です。

ApexやValorantなどのゲームでは、接続先のサーバーを選べることがあります。ゲーム内のサーバー選択画面で「東京」「台湾」「香港」などと表示されている場合、東京を選べばpingは最も低くなります。

注意したいのは、ゲームによっては混雑回避のために自動で海外サーバーに繋がってしまうケースがあることです。「いつもより明らかにpingが高い」と感じたら、接続先サーバーを確認してみてください。

距離が原因のpingは、回線を変えても改善しません。サーバーとの物理的な距離は、引っ越しでもしない限り変えられないからです。ただし、距離が原因かどうかは、サーバー選択画面のping表示で判断できます。

経路——通信が通る道の構造

自宅からゲームサーバーまで、データは直線では届きません。いくつもの中継ポイントを経由して、ようやく届きます。この中にはONU(光回線終端装置)——光ファイバーの信号をLANケーブルで扱える電気信号に変換する機器——も含まれます。

自宅 → ルーター → ONU → プロバイダ → インターネット交換点 → ゲームサーバー

この経由ポイントが多いほど、そして各ポイントでの処理に時間がかかるほど、pingは高くなります。

特に影響が大きいのが、フレッツ光の網終端装置(利用者の通信を集約してインターネットへつなぐ、フレッツ光網の出入り口にあたる設備)です。ドコモ光・ソフトバンク光・楽天ひかりなど、NTTの設備を借りて提供される光回線(光コラボ)は、すべてこの網終端装置を通ります。利用者が多い時間帯には、ここが渋滞のボトルネックになります。

一方、NURO光・auひかり・電力系(eo光・コミュファ光など)は、NTTの設備を使わない独自回線です。経由ポイントが少なく、網終端装置の渋滞を避けられるため、pingが安定しやすい構造になっています。

混雑——夜間にpingが高くなる仕組み

「昼間は10msなのに、夜になると100ms超える」——この現象の原因は、混雑です。

特に20時〜24時のゴールデンタイムは、動画視聴やオンラインゲームの利用者が集中します。フレッツ光の網終端装置がパンク寸前になり、データの順番待ちが発生。結果として、pingが跳ね上がります。

混雑の影響を受けやすいのは、従来のPPPoE方式(IDとパスワードで認証してから接続する、昔からある接続方式)で接続している回線です。PPPoE方式は網終端装置を必ず通るため、混雑の影響をまともに受けます。

これに対し、IPoE方式(IPv6という通信規格を使い、網終端装置を経由しないルートで通信する接続方式)は、混雑を避けやすい仕組みになっています。「距離」や「経路」そのものは変えられませんが、「混雑」は回避できる可能性があります。

ただし、IPoE方式にも限界はあります。回線そのものの上限(たとえばVDSL方式〈NTT東西の配線方式の一種〉なら最大100Mbps)は超えられませんし、経路の問題が原因なら効果は限定的です。

今すぐ試せる対処法

回線を変えなくてもできる対処法を、優先順に紹介します。「なぜ効くのか」も併記するので、自分の状況に当てはまるかどうか判断しながら試してみてください。

ルーター・有線化・LANケーブル(宅内改善)

まずは宅内でできることから。費用がかからない、または少額で試せる対処法です。

ルーターの再起動

ルーターを再起動すると、一時的なキャッシュや処理の詰まりが解消され、pingが改善することがあります。ただし、効果は一時的です。再起動で直るなら、ルーターの処理能力不足や故障の可能性があります。

有線接続に切り替える

Wi-Fiは電波の往復で数ms〜数十msの遅延が発生します。有線接続に切り替えるだけで、この分のpingを削れます。特にゲーム機やPCは、可能な限り有線で繋ぐのが基本です。

LANケーブルを確認する

古いLANケーブル(Cat5以前)を使っている場合、ボトルネックになることがあります。Cat5eでも1Gbpsには対応していますが、安定性を考えるならCat6A以上への交換がおすすめです。

効く場合・効かない場合

これらの宅内改善が効くのは、宅内に原因がある場合です。ルーターやLANケーブルに問題がなく、有線でも改善しないなら、原因は宅内の外——つまり回線側にあります。次の対処法に進みましょう。

IPoE方式への切り替え

夜間にpingが高くなる場合、IPoE方式への切り替えで改善する可能性があります。

IPoE方式とは、IPv6という通信規格を使って、混雑しやすい網終端装置を迂回して接続する方式のことです(フレッツ光・光コラボの場合)。フレッツ光や光コラボを使っていて、従来のPPPoE方式で接続している場合、IPoE方式への切り替えは有力な選択肢です。

確認方法

  1. 契約しているプロバイダのマイページにログイン
  2. 「IPv6オプション」「v6プラス」「transix」などの項目を探す
  3. 未対応なら申し込み(多くのプロバイダで無料)

IPoE方式に対応していても、ルーター側が対応していないと効果が出ません。プロバイダから提供されるルーター、または契約中のサービスに対応した市販ルーター(v6プラス=MAP-E方式、transix=DS-Lite方式など、対応する方式が製品ごとに異なります)を使用してください。

限界を知っておく

IPoE方式で改善できるのは「混雑」の問題だけです。距離や経路が原因のping高には効果がありません。また、回線そのものの上限は超えられないため、VDSL方式やCATV回線の場合は根本解決にならないことがあります。

根本解決——回線を見直す

ルーターの再起動、有線化、IPoE方式への切り替え——これらを試しても改善しない場合、回線そのものを変える選択肢に入ります。

ホームルーターでpingが高い理由と限界

ホームルーターは、工事なしで使えるネット回線として人気です。ただし、ゲーム用途ではpingが高くなりやすい構造的な弱点があります。

なぜホームルーターはpingが高いのか

ホームルーターは、携帯電話と同じ電波を使ってインターネットに接続します。通信経路は以下のようになります。

ゲーム機 → ホームルーター →(無線)→ 基地局 → コアネットワーク → インターネット → ゲームサーバー

光回線と比べて、いくつかの追加遅延が発生します。

  • 無線区間の往復遅延: ホームルーターから基地局までは無線通信。電波の往復で数ms〜数十msの遅延が加算される
  • 基地局・コアネットワークの経由: 光回線にはない経由ポイントが増える

編集部が見た診断データでも、北海道でドコモのホームルーター(HR02)を使ってフォートナイトをプレイし、pingが200ms超えという報告がありました(個別の環境による一例です)。

ホームルーターの限界

ホームルーターで、FPSにおける快適の目安とされる20ms以下を安定して出すのは、構造的に難しいと考えてください。ゲームの種類によっては問題なく遊べることもありますが、FPSやTPSのような反応速度を競うゲームでは、光回線に比べて不利になります。

「工事ができないからホームルーターを選んだ」という方も多いでしょう。それでも、ping改善を優先するなら、光回線への乗り換えを検討する価値はあります。

独自回線系への乗り換えで期待できる効果

独自回線系とは、NTTの設備(フレッツ光)を使わず、自前の設備でサービスを提供する光回線のことです。代表的なものに、NURO光・auひかり・電力系(eo光・コミュファ光・メガエッグ・ピカラ・BBIQ)があります。

期待できる効果

  • フレッツ光の網終端装置を通らないため、夜間の混雑による影響を受けにくい
  • 経由ポイントが少なく、pingが安定しやすい
  • 実測で10〜20ms台のpingを維持できるケースが多い

※上記は本記事での目安であり、業界共通の基準ではありません。実際のping改善幅は回線環境・エリア・時間帯により異なります。

実際、夜間のゲーム遅延に悩んでいた方が、独自回線系への乗り換えで改善したケースがあります。

「夜だけpingが高い」という典型的なパターンでも、独自回線系への乗り換えで改善した例があります。

※上記は個別の診断事例であり、ping改善の効果を保証するものではありません。結果は回線環境やご利用状況により異なります。

制約も知っておく

独自回線系には、いくつかの制約があります。

  • エリアが限定されている: NURO光は21都道府県、auひかりは全国だがマンションタイプはエリア限定、電力系は各地域のみ
  • マンションは導入状況次第: 建物に設備が入っていないと、戸建てプランでの契約か、導入を待つことになる
  • 開通まで時間がかかる: 申し込みから開通まで1〜3か月程度かかることが多い

ゲーミング回線の種類や選び方の詳細は、ゲーミング回線の選び方|ラグの原因と必要な速度・Ping値を解説で解説しています。jitterやパケットロスの影響も含めて、どの回線を選ぶべきか判断する際の参考にしてください。

あなたの住所・建物でどの回線が選べるか、切り替えでどの程度ping改善が期待できるかは、約3分の診断で目安を出せます。

まとめ

pingが高い原因は、速度ではなく「距離・経路・混雑」の3つです。

  • 距離: サーバーまでの物理的な距離。海外サーバーに繋がっていないか確認
  • 経路: 通信が通る道の構造。光コラボはフレッツ網を共有し、混雑の影響を受けやすい
  • 混雑: 夜間のゴールデンタイムにpingが上がる場合、IPoE方式への切り替えで改善する可能性あり

対処の順番は、宅内改善(有線化・LANケーブル)→ IPoE方式への切り替え → 回線変更が基本です。

ホームルーターは構造的にpingが高くなりやすいため、FPSやTPSを快適にプレイしたいなら光回線を検討する価値があります。特に独自回線系(NURO光・auひかり・電力系)は、夜間の混雑に強く、pingが安定しやすい傾向にあります。

自分の環境でどの対処法が有効か、どの回線が選べるかを知りたい方は、まず原因の切り分けから始めてみてください。

掲載情報に関する注記

  • 掲載している料金は、特に記載がない限りすべて税込表示です(2026年6月時点)。料金・キャンペーン内容は変更される場合があります。最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
  • 「最大速度」は技術規格上の理論値(ベストエフォート)であり、実使用時の速度を保証するものではありません。実際の速度は利用環境・時間帯・端末により変動します。
  • 「実測平均」は第三者の速度計測サイトに投稿された測定値の参考値です。あくまで目安としてご覧ください。
  • 「実質月額」は (月額料金 × 契約月数 + 初期費用 − キャッシュバック − セット割)÷ 契約月数 を基本に算出しています。割引適用条件は各サービスにより異なります。
  • 提供エリア・電波状況・建物の設備(光回線の場合は配線方式等)により、実際に利用できるサービスや速度が異なります。お申し込み前にエリア・対応状況を必ずご確認ください。

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