ホームルーターでライブ配信できる?必要な速度と設定を解説
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ホームルーターは工事なしでインターネットが使える便利な回線です。ただし、ライブ配信となると次のような不安を感じる方が多いのではないでしょうか。
- ホームルーターの速度でライブ配信が成立するのか分からない
- 配信中に映像が途切れたりカクついたりしないか心配
- どのホームルーターを選べば配信に使えるのか判断できない
本記事では、ホームルーターでライブ配信ができる条件と限界、配信に必要な速度の目安、設定の工夫までを解説します。
この記事のポイント
- ホームルーターでも条件次第でライブ配信は可能だが、安定性には限界がある
- 配信の品質を決めるのは「上り速度」で、標準画質配信には10Mbps以上・高画質安定配信には20Mbps以上が目安
- OBSの設定を調整すれば、速度が限られた環境でも配信を成立させる方法がある
目次
ホームルーターでライブ配信できる?まず結論から
結論から言うと、ホームルーターでもライブ配信は「できる場合がある」というのが正確な答えです。ただし、光回線のように常に安定した配信ができるわけではありません。ホームルーターは携帯電話と同じモバイル回線を使っているため、時間帯や電波状況によって速度が大きく変動します。
配信が成立するかどうかは、主に「上り速度」で決まります。上り速度とは、自分の端末からインターネットにデータを送る速さのことです。ライブ配信では映像と音声をリアルタイムで送り続けるため、この上り速度が安定して出ているかどうかが重要になります。
できる条件・できない条件の判断基準
まずは自分の環境で上り速度がどのくらい出ているか確認しましょう。スピードテストサイト(fast.comなど)で「アップロード速度」を測定できます。
配信の可否は、上り速度の実測値でおおむね判断できます。
| 上り速度(実測) | 配信の可否 |
|---|---|
| 20Mbps以上 | 1080p HD画質で安定配信が可能 |
| 10〜20Mbps | 720p標準画質なら配信できる |
| 5〜10Mbps | 低画質(480p以下)なら配信できるが不安定になりやすい |
| 5Mbps未満 | 配信は厳しい。途切れやカクつきが頻発する |
ホームルーターが5Gエリアに入っていれば、上り速度10〜20Mbps程度が出ることもあり、720p標準画質での配信は可能です。ただし1080p高画質を安定させるには20Mbps以上が目安で、5G環境でも常に保証されるわけではありません。一方、4Gエリアでは上り速度が3〜8Mbps前後にとどまるケースが多く、画質を下げても配信が途切れやすくなります。
もうひとつ重要なのは、速度の「安定性」です。ホームルーターは無線回線のため、夜間の混雑時間帯(19時〜23時頃)に速度が大幅に落ちることがあります。
昼間の計測で15Mbps出ていても、夜の配信時に5Mbps以下まで下がれば映像が途切れます。配信する予定の時間帯に計測するのがポイントです。
ゲーム配信はさらに厳しい理由
ゲーム配信は、通常のライブ配信よりも回線への負荷が大きくなります。理由は「二重の通信」が同時に発生するためです。
通常のライブ配信では、OBS(配信ソフト)が映像をアップロードするだけで済みます。しかしゲーム配信の場合は、OBSでの映像送信に加えて、オンラインゲーム自体の通信も必要です。ゲーム側の通信は上り・下りの両方で帯域を消費し、さらにレイテンシ(遅延)が小さいことも求められます。
レイテンシとは、データが相手のサーバーに届くまでの時間のことです。ゲーム中に操作が遅れて反映される「ラグ」の原因になります。
この二重通信により、ゲーム配信には通常配信より3〜5Mbps程度多く上り速度が必要になります。ホームルーターでゲーム配信を安定させるには、上り速度が25〜30Mbps以上出ている環境でないと厳しいでしょう。
配信に必要なアップロード速度の目安
ライブ配信を始める前に、使いたい配信サービスが求める速度を把握しておきましょう。サービスによって推奨される上り速度が異なります。
主要配信サービス別の必要速度一覧
主要な配信サービスで推奨されている上り速度の目安は次のとおりです。
| 配信サービス | 推奨上り速度(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| YouTube Live | 4〜10Mbps | 720p 30fps で約4Mbps、1080p 30fps で約10Mbps(H.264) |
| Twitch | 4.5〜6Mbps | 最大ビットレート6,000kbps |
| ニコニコ生放送 | 2〜6Mbps | 一般会員は2Mbps、プレミアム会員は6Mbps |
| ツイキャス | 5.8Mbps以下 | 超高画質配信で最大5.8Mbps |
| ミルダム | 3〜6Mbps | 720p推奨 |
※各サービスの推奨値は変更される場合があります。最新情報は各サービスの公式ヘルプを確認してください。YouTube Liveの推奨ビットレートはYouTube公式ヘルプより。
ここで注意したいのが、OBS(配信ソフト)で設定するビットレートです。ビットレートとは、1秒間に送るデータ量のことで、数値が高いほど映像はきれいになりますが、その分だけ上り速度が必要になります。
OBSのビットレートは、実測の上り速度よりも余裕を持って低めに設定するのが基本です。具体的な設定値は後述のOBS設定セクションで解説します。
通常配信とゲーム配信で必要な速度が違う理由
通常の雑談配信やカメラ配信では、OBSの映像送信だけで通信が完結します。一方、ゲーム配信では前述のとおりゲーム通信が加わるため、必要な上り速度がさらに上がります。
| 配信の種類 | 必要な上り速度の目安 |
|---|---|
| 雑談・カメラ配信(720p) | 10Mbps以上 |
| ゲーム配信・オフラインゲーム(720p) | 10Mbps以上 |
| ゲーム配信・オンラインゲーム(720p) | 20〜30Mbps以上 |
オフラインゲーム(ネット通信不要のゲーム)の配信であれば、通常配信と同じ速度で対応できます。ホームルーターでゲーム配信をする場合は、オフラインゲームを選ぶのも現実的な選択肢です。
ホームルーターの実測上り速度と限界
では、実際にホームルーターはどのくらいの上り速度が出るのでしょうか。主要3サービスの実測データを比較します。
WiMAX・ドコモhome 5G・SoftBank Airの上り速度比較
ホームルーターの代表的な3サービスについて、スペック上の最大値と、実際のユーザーが計測した上り速度の目安をまとめます。
| サービス | 上り最大速度(スペック値・参考) | 実測上り速度の目安 |
|---|---|---|
| WiMAX +5G(Speed Wi-Fi HOME 5G L13) | 286Mbps | 8〜20Mbps |
| ドコモ home 5G(HR02) | 218Mbps | 8〜20Mbps |
| SoftBank Air(Airターミナル6) | 非公開 | 5〜15Mbps |
※50音順で掲載。スペック値はベストエフォート(理論上の最大値)であり、実際の利用環境では出ません。実測値は利用環境・時間帯・エリアによって大きく変動します。最新のスペック情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。
ベストエフォートとは、「最大限の努力」という意味で、表に記載されたスペック上の速度は理論上の最大値です。実際に家庭で使う場合、この最大値が出ることはほぼありません。
スペック値だけを見れば3サービスとも十分に高速ですが、実測で見ると上り速度は8〜20Mbps前後が現実的なラインです。720p標準画質の配信には対応できますが、1080p高画質を常に安定して配信できるとは限りません。
実測値はエリアや設置場所に大きく左右されるため、スペック値だけでサービスを選ぶのは避けましょう。
5Gエリアと4Gエリアで実測値はどう変わるか
ホームルーターの実測速度は、5Gエリアか4Gエリアかで大きく異なります。
| エリア | 上り速度の目安 | 配信への影響 |
|---|---|---|
| 5Gエリア | 10〜20Mbps | 720p標準画質の配信は可能。1080pは不安定になりやすい |
| 4Gエリア | 3〜8Mbps | 低画質(480p以下)なら可能だが途切れやすい |
5Gの電波が届く場所であれば、ホームルーターでもそこそこの上り速度が期待できます。しかし4Gエリアでは上り速度が5Mbps前後にとどまることが多く、配信中に映像がカクつくリスクが高まります。
自宅が5Gエリアかどうかは、各事業者のエリアマップで確認できます。
- WiMAX: UQ WiMAX公式のエリアマップ
- ドコモ home 5G: ドコモ公式のサービスエリアマップ
- SoftBank Air: SoftBank公式のエリア確認ページ
契約前にエリアマップで自宅の電波状況を確認し、5G対応エリアかどうかを必ず調べましょう。
もうひとつ気をつけたいのがデータ消費量と速度制限です。ライブ配信はデータを大量に消費するため、月間の使用量が積み上がりやすくなります。
UQ WiMAX公式によると、WiMAX +5Gの標準モードは月間データ容量無制限ですが、プラスエリアモード(au回線を使うモード)は月30GBを超えると通信速度が128kbpsに制限されます。128kbpsではライブ配信は不可能です。毎日配信する方は、標準モードのエリア内で使い続けられるかどうかも確認しておきましょう。
ホームルーターで配信を成立させるOBS設定
ホームルーターの上り速度が十分でなくても、OBSの設定を調整すれば配信を成立させられる場合があります。ここでは具体的な設定値を紹介します。
OBS(Open Broadcaster Software)とは、無料で使えるライブ配信ソフトです。YouTube LiveやTwitchなど、ほとんどの配信サービスに対応しています。
ビットレートの下げ方と目安値
OBSで最も重要な設定がビットレートです。上り速度に対してビットレートが高すぎると、映像データの送信が追いつかず、途切れやカクつきの原因になります。
上り速度に応じたビットレートの目安は次のとおりです。
| 上り速度(実測) | 推奨ビットレート | 映像の目安 |
|---|---|---|
| 20Mbps以上 | 4,500〜6,000kbps | 1080p / 高画質 |
| 10〜20Mbps | 2,500〜4,500kbps | 720p / 標準画質 |
| 6〜10Mbps | 1,500〜2,500kbps | 480p / やや粗い |
| 3〜6Mbps | 800〜1,500kbps | 360p / 低画質 |
ビットレート変更手順(OBS)
- OBSを開き、「設定」をクリック
- 左メニューの「出力」を選択
- 「出力モード」を「詳細」に切り替え
- 「配信」タブの「ビットレート」欄に数値を入力
- 「適用」→「OK」で保存
ビットレートの目安は「上り速度の40〜50%以下」です。たとえば上り速度が8Mbpsなら、ビットレートは3,000〜3,500kbps程度に設定します。上り速度は常に一定ではないため、最大値に対して余裕を持たせた設定にするのがポイントです。
解像度とフレームレートの調整手順
ビットレートを下げるだけでなく、解像度とフレームレートも調整すると配信がさらに安定します。
解像度は映像のきめ細かさ、フレームレート(fps)は1秒間に表示する映像の枚数です。どちらも下げるとデータ量が減り、低速回線でも配信しやすくなります。
| 項目 | 安定重視の設定 | 画質重視の設定 |
|---|---|---|
| 出力解像度 | 1280×720(720p) | 1920×1080(1080p) |
| フレームレート | 30fps | 60fps |
解像度・フレームレート変更手順(OBS)
- OBSの「設定」→「映像」を開く
- 「出力(スケーリング)解像度」を「1280x720」に変更
- 「FPS共通値」を「30」に変更
- 「適用」→「OK」で保存
ホームルーターで配信する場合、まずは720p・30fpsで試すのがおすすめです。この設定であればビットレートは2,500kbps程度で十分な画質が得られ、上り速度8〜10Mbps前後の環境でも配信が成立しやすくなります。
毎日配信するなら光回線が向いている理由
ホームルーターでもOBSの設定次第でライブ配信は可能です。しかし、毎日のように配信する場合や、高画質で安定した配信を続けたい場合は、光回線への乗り換えを検討する価値があります。
光回線は有線でデータを送受信するため、モバイル回線を使うホームルーターと比べて速度の安定性が高くなります。天候や時間帯による速度変動も少なく、配信中に映像が途切れるリスクを下げられます。
光回線にはケーブルの引き込み工事が必要で、開通まで数週間かかる場合があります。費用や開通スケジュールは各サービスの公式サイトで確認してください。
以下のような方は、光回線が向いています。
- 週に3回以上、定期的にライブ配信をしている
- 1080p以上の高画質で安定配信したい
- オンラインゲームの配信(ゲーム通信 + 映像送信の二重負荷)を行う
- 配信中の途切れやカクつきをなくしたい
一方、次のような方はホームルーターでも十分対応できます。
- 月に数回、趣味程度でライブ配信をする
- 720p以下の画質で問題ない
- 工事ができない・工事を待てない事情がある
回線選びで大切なのは、自分の配信頻度と求める画質に合った環境を選ぶことです。まずはホームルーターで配信を試し、不安定さが気になるようであれば光回線を検討するという進め方でも問題ありません。
まとめ
ホームルーターでライブ配信ができるかどうかは、主に上り速度とエリアで決まります。5Gエリアで上り速度が10〜20Mbps出ていれば、OBSのビットレートを調整することで720p標準画質の配信は成立します。1080p高画質を安定させるには20Mbps以上が必要な目安です。
ただし、ホームルーターは無線回線のため、夜間の速度低下や天候による変動を完全には避けられません。配信の途切れが気になる場合は、まずOBSの解像度・ビットレート・フレームレートを下げて対処してみてください。
それでも安定しない場合や、毎日の高画質配信を目指す場合は、光回線への切り替えが現実的な選択肢になります。自分の配信スタイルと環境に合った回線を選ぶことが、快適な配信生活への第一歩です。