3階建てでWi-Fiが届かない原因と対処法|中継器・メッシュの選び方も解説
1階のリビングでは問題ないのに、3階の子供部屋だけ電波が1本も立たない。中継器を買ってみたけど、2階までしか届かなかった——そんな経験をしていませんか。
3階に電波が届きにくいのは、設定のせいではありません。床や壁を通るたびに電波が弱まる、建物の構造上の問題です。
ただし、多くの場合は適切な対処で3階でも快適に使えるようになります。本記事では、3階建て住宅でWi-Fiが届かない原因と、建物構造に合った解決策を解説します。
この記事のポイント
- 3階に電波が届かないのは構造の問題であり、設定ミスではない
- 中継器・メッシュWi-Fi・有線LANの選び方は建物構造で変わる
- 誤投資を防ぐには、機器を買う前に原因を特定することが大切
「3階だけWi-Fiが弱い」とお困りの方へ
- 「中継器を買ったのに、2階までしか届かない」
- 「3階の子供部屋で動画が止まると言われる」
- 「何を買えば解決するのか分からない」
3階に電波が届かない原因は、建物の構造や間取りによって異なります。中継器で解決するケース、メッシュWi-Fiが必要なケース、回線自体を見直した方がいいケースがあります。建物構造と使う場所を入力すれば、約3分であなたの家に合った機器構成の目安が分かります。
目次
なぜ3階建て住宅ではWi-Fiが届きにくいのか
中継器やメッシュWi-Fiを買う前に、まず原因を特定しましょう。電波が届かない理由が分かれば、何を買えば解決するのか判断しやすくなります。
なお、本記事は「宅内の電波が届かない問題」を扱っています。ルーターの近くで速度を測っても遅い場合は、回線自体の速度に問題がある可能性があります。その場合は光回線が遅い原因と対処法を参考にしてください。
電波は床・壁を通るたびに弱くなる
Wi-Fiの電波は、床や壁を通過するたびに弱くなります。ホースで水を撒くとき、遠くになるほど勢いが落ちるのと同じイメージです。
目安として、床1枚を通過すると電波は半分程度に減衰すると言われています。1階から3階までは床を2枚通過するため、ルーターの近くと比べると電波は4分の1程度になることもあります。
ただし、この減衰の度合いは建物構造や床材によって大きく変わります。「原則として減衰する」という仕組みを理解した上で、ご自宅の状況に当てはめてください。
建物構造で減衰の度合いが変わる
同じ3階建てでも、建物構造によって電波の通りやすさは異なります。
| 構造 | 電波の通りやすさ | 特徴 |
|---|---|---|
| 木造 | 比較的通しやすい | ただし床暖房パネルや断熱材の種類で変わる |
| 鉄骨造 | 木造より通しにくい | 鉄骨部分で電波が反射・遮断される |
| 鉄筋コンクリート(RC) | 最も通しにくい | 階をまたぐと電波がほぼ届かないことも |
木造でも、床暖房のパネル(金属製のシート)が入っていると電波が遮断されやすくなります。また、最近の高断熱住宅では断熱材にアルミ蒸着フィルムが使われていることがあり、これも電波を通しにくくします。
3階に電波が届かないのは、対策なしで届く方が珍しいのです。設定ミスや機器の不具合ではなく、建物の物理的な制約によるものだと理解してください。
3階にWi-Fiを届かせる方法——まず試すこと
お金をかけずにできることから試してみましょう。設置場所や設定の変更だけで改善するケースもあります。
ルーターの設置場所を変える
電波を3階まで届かせるには、ルーターを家の中心に置くのが理想です。1階の端にルーターがあると、3階の反対側には電波がほとんど届きません。
できれば2階の中央、階段の近くに移動させるとよいでしょう。電波は上下にも広がるため、真ん中の階に置くと1階と3階の両方に届きやすくなります。
ただし、現実的には制約があります。光回線の場合、ONU(光回線終端装置)や光コンセントの位置は固定されています。移動するには長いLANケーブルで1階から2階まで配線する必要があり、見た目や手間の問題があるかもしれません。
可能であれば試す価値はありますが、難しければ次の対策に進みましょう。
周波数帯を使い分ける
現在のWi-Fiルーターは、2つの周波数帯を使えるものがほとんどです。
| 周波数帯 | 特徴 | 3階での使い勝手 |
|---|---|---|
| 2.4GHz | 障害物に強く、遠くまで届く | 3階に届きやすい傾向 |
| 5GHz | 速度は速いが、障害物に弱い | 3階には届きにくい傾向 |
3階で使う場合は、2.4GHz帯を優先して試してみてください。スマートフォンやパソコンのWi-Fi設定で、接続先を「◯◯-2G」「◯◯-2.4G」などの名前に切り替えれば使えます。
ただし2.4GHzは電子レンジやBluetooth機器と干渉しやすく、速度が落ちることがあります。電波は届くけど遅いという場合は、干渉が原因かもしれません。
ここまでで解決しない場合の切り分け
設置場所を変えても、周波数帯を切り替えても改善しない場合は、もう少し原因を絞り込みましょう。
次のチェックリストで、問題がどこにあるか確認してください。
- ルーターの真横でも速度が遅い → 回線自体の速度に問題がある可能性
- 3階だけ遅い(1階・2階は問題ない) → 距離・構造の問題。機器の追加で対応
- 特定の時間帯だけ遅い → 回線の混雑(夜間など)が原因の可能性
- 特定の機器だけ遅い → その機器のWi-Fi性能の問題
3階だけ遅い場合は、この後紹介する中継器やメッシュWi-Fiで対応できます。
一方、ルーターの近くでも遅い場合は、機器を追加しても解決しない可能性があります。
実際に、同じ悩みで診断を受けた方の例を見てみましょう。
<!-- report-case: d-qLzEu6G8Ms -->この方は戸建ての4人家族で、夜8時頃に動画が止まる症状がありました。調べてみると、ルーターの問題ではなく、回線自体(モバイル回線のホームルーター)の速度が遅いことが原因でした。光回線への乗り換えで解決しています。
機器で解決する——中継器・メッシュWi-Fi・有線LAN
設置場所の変更では解決しない場合、機器を追加して電波を3階まで届かせる方法があります。選択肢は大きく3つです。
| 方法 | 費用目安 | 手軽さ | 安定性 |
|---|---|---|---|
| 中継器 | 3,000〜8,000円(税込) | 簡単 | やや不安定 |
| メッシュWi-Fi | 15,000〜30,000円(税込) | やや手間 | 安定 |
| 有線LAN配線 | 50,000〜150,000円(税込・業者依頼時) | 工事が必要 | 最も安定 |
それぞれの特徴と、どんな場合に選ぶべきかを解説します。
中継器——手軽だが限界がある
中継器(Wi-Fi中継機)とは、親機から受け取った電波を増幅して再送信する機器です。コンセントに挿すだけで使えるものが多く、導入のハードルが低いのが特徴です。
メリット:
- 安価(3,000〜8,000円程度)
- 設置が簡単(コンセントに挿してボタンを押すだけ)
- 電波の届く範囲が広がる
限界:
- 速度が半減する: 中継器は電波を受け取って再送信するため、原則として速度が半分程度になります
- SSID切り替えで途切れる: 親機と中継器で別のSSIDを使う製品の場合、移動時にWi-Fiが切れることがあります
- 2階→3階の中継はできても、1階→3階の直接中継は厳しい: 電波が届く範囲に中継器を置く必要があり、届かない場所には置けません
3階建てで中継器を使う場合、2階に設置して1階と3階の間をつなぐ形になります。1階のルーターから3階まで直接中継することは、建物構造によっては難しいでしょう。
実際に、中継器で解決できなかった方の例もあります。
<!-- report-case: d-4vDFWEWiOu -->この方は戸建ての7人家族で、2階にルーターがありましたが1階への電波が弱い状況でした。中継器を導入しましたが限定的な効果しかなく、最終的にルーターの見直しを提案しています。
中継器は「1階→2階」「2階→3階」のように、1フロアずつの延長には効果的です。ただし、建物構造によっては限界があることを理解した上で検討してください。
メッシュWi-Fi——3階建てに向いている理由
メッシュWi-Fiとは、複数の機器が連携して家全体をカバーするWi-Fiシステムです。親機・子機という関係ではなく、すべての機器が対等に通信します。
メリット:
- SSIDが1つで切り替え不要: 家の中を移動しても、同じネットワーク名でつながり続けます
- 自動で最適な経路を選択: どの機器に接続するかを自動で判断し、常に最適な通信経路を使います
- 中継器より安定: 電波のバケツリレーではなく、ネットワークとして一体動作します
費用: 2台セット(1階用・3階用)で15,000〜30,000円程度が目安です。中継器より高価ですが、3階建てでの使い勝手は大きく異なります。
有線バックホールの効果: メッシュWi-Fiの中には、機器同士を有線LANケーブルで接続できる製品があります。この接続方法を「有線バックホール」と呼びます。
有線バックホールを使うと、速度低下がほぼありません。無線でつなぐ場合は電波を中継するたびに速度が落ちますが、有線ならその心配がないのです。
もし1階から3階まで有線LANケーブルを引けるなら、メッシュWi-Fi+有線バックホールの組み合わせが3階建てには最も適しています。
有線LAN——確実だが配線工事が必要
最も安定するのは、各階に有線LANを配線する方法です。Wi-Fiの電波を使わないため、建物構造の影響を受けません。
ただし、DIYで配線するのは難易度が高いです。天井裏や壁の中を通す必要があり、専門知識がないと難しいでしょう。業者に依頼すると、5〜15万円程度の費用がかかることが一般的です。
有線LAN配線は以下のような場合に検討してください。
- オンラインゲームやテレワークで安定性が最優先
- 新築・リフォームのタイミング(工事のついでに配管を通せる)
- RC造で無線が絶望的
すでに回線がつながっている既存住宅の場合は、まずメッシュWi-Fiを試し、それでも満足できなければ有線配線を検討する、という順番がおすすめです。
また、ホームルーター(据え置き型モバイル回線)を使っている場合は注意が必要です。
<!-- report-case: d-SPIah2uxRA -->この方はWiMAXのホームルーターを使っていましたが、家中で電波が弱い状態でした。この場合、中継器やメッシュWi-Fiを追加しても根本的な解決にはなりません。元の回線(モバイル回線)の電波が弱いことが原因だからです。結果として、縛りなしの光回線への乗り換えを提案しています。
建物構造別の選び方
どの機器を選ぶべきかは、建物構造によって変わります。一般的な傾向を参考に、ご自宅に合った選択をしてください。
木造3階建ての場合
木造は電波が比較的通りやすいため、中継器でも効果が出やすい構造です。
おすすめの進め方:
- まず2.4GHz帯への切り替えと設置場所の変更を試す
- 改善しなければ、2階に中継器を設置
- 中継器で速度が不満なら、メッシュWi-Fiへ移行
予算に余裕があれば、最初からメッシュWi-Fiを選ぶのも合理的です。中継器の速度低下に悩まずに済みます。
ただし、床暖房パネルがある場合は木造でも電波が通りにくくなります。1階と2階の間に床暖房があると、木造のメリットが薄れることがあります。
鉄骨・RCの3階建ての場合
鉄骨造や鉄筋コンクリート造は、電波が通りにくい構造です。中継器だけでは限界があることを前提に考えてください。
おすすめの進め方:
- 設置場所の変更と周波数帯の切り替えを試す(効果は限定的な可能性が高い)
- メッシュWi-Fi(2台以上)を導入
- 可能なら有線バックホールで接続
RC造で各階に分電盤(ブレーカーボックス)がある場合、電気配線の管を利用して有線LANを通せることがあります。電気工事士に相談してみてください。
回線自体の見直しが必要なケース
機器の問題ではなく、回線自体に課題があるケースもあります。
- ホームルーター(据え置き型モバイル回線)を使っている場合: 元の電波が弱ければ、中継器を増やしても改善しません
- 古いルーターを使っている場合: 10年以上前のルーターは通信規格が古く、そもそもの性能に限界があります
- 低速プランの光回線を使っている場合: 回線速度の上限が低ければ、宅内機器を整えても速度は変わりません
3階だけでなく、ルーターの近くでも速度に不満がある場合は、回線自体の見直しを検討してください。
建物構造と間取り、使う場所を入力すれば、あなたの3階建てに合った機器構成や回線の選び方を約3分で診断できます。中継器やメッシュWi-Fiを買う前の材料として、試してみてください。
まとめ
3階建て住宅でWi-Fiが届かないのは、設定ミスや機器の不具合ではなく、建物の構造上の問題です。床や壁を通るたびに電波は弱くなり、対策なしで1階から3階まで快適につながる方が珍しいのです。
解決策を選ぶ際は、次の順番で検討してください。
- まず設置場所と周波数帯を変えて試す(費用ゼロでできること)
- それでもダメなら、建物構造に合った機器を選ぶ
- 木造なら中継器でも効果が出やすい
- 鉄骨・RCならメッシュWi-Fi+有線バックホールがおすすめ
- ルーターの近くでも遅い場合は回線自体の見直しも検討
「◯畳まで届く」といった一律の基準で選ぶと、建物構造によっては期待どおりの効果が出ないことがあります。ご自宅の構造を把握した上で、適切な対処法を選んでください。
2階にWi-Fiが届かない原因と対処法、光回線の中継器とは?選び方と設置場所もあわせて参考にしてください。