ホームルーターの電波は何階まで届く?建物別の目安と改善策
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ホームルーターは工事不要でコンセントに挿すだけでWi-Fiが使えるため、戸建てやマンションで手軽に導入できます。一方で、置いた場所から離れた階に電波が届きにくいという悩みもよく聞かれます。
- 2階・3階の部屋でWi-Fiが弱く、動画やWeb会議が途切れる
- 自分の家の構造(木造・鉄筋コンクリート造・鉄骨造)で本当に上の階まで使えるのか不安
- 中継器とメッシュWi-Fiのどちらを選べばよいか判断できない
本記事では、ホームルーターの電波が何階まで届くのかを建物構造ごとに整理し、届かないときの原因と工事不要でできる改善策まで解説します。
この記事のポイント
- ホームルーターは基地局からの5G/4G電波を屋内でWi-Fiに変換する2段階の仕組み
- 木造は2〜3階まで届きやすく、鉄筋コンクリート造・鉄骨造は1〜2階でも電波が弱まりやすい
- 設置場所・周波数の見直し、中継器・メッシュWi-Fiの活用で多くのケースは改善できる
目次
ホームルーターの電波は何階まで届く?基本の考え方
ホームルーターとは、屋外の5G/4G基地局から飛んでくる電波を受信し、それを室内でWi-Fiとして再発信する据え置き型の通信機器のことです。光回線のルーターのように回線工事は不要ですが、電波の届きやすさは設置場所と建物構造に大きく左右されます。
ここでは「何階まで届くか」を考える前提として、Wi-Fiの理論上の到達距離とホームルーター特有の仕組みを整理します。
Wi-Fi電波の到達距離とホームルーター特有の仕組み
家庭用Wi-Fiの電波は、室内では壁・床・家具・家電などが電波を吸収・反射するため、屋外より到達距離が大きく短くなります。電波は球状に広がるため、同じフロアの隣室より上下階のほうが床・天井という障害物が多く挟まります。
光回線のルーターは、光ファイバーの信号をWi-Fiに変換するだけの仕組みです。室内でのWi-Fi到達だけを考えればよい構造になっています。
これに対してホームルーターは、屋外の基地局電波を受信する段階と、受信した電波をWi-Fiとして再発信する段階の2段階があります。基地局電波が宅内まで十分な強度で届いているかもあわせて確認する必要があります。屋外電波の強さは本体のランプやアプリで確認できます。
建物の構造別:何階まで届くかの目安
ホームルーターの電波到達は建物構造で大きく変わります。床・壁の材質によって電波の減衰量が異なるためです。
木造・鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄骨造ごとに到達のしやすさを整理し、マンションで気をつけたい点まで解説します。あくまで一般的な目安であり、間取り・障害物・基地局からの距離によって実際の状況は変動します。
| 建物構造 | 電波の通りやすさ | 階数別の到達目安(1階設置時) |
|---|---|---|
| 木造 | 通りやすい | 2階:届きやすい/3階:機種と設置位置次第で届く |
| 鉄骨造 | やや通りにくい | 2階:弱まることが多い/3階:届きにくい |
| 鉄筋コンクリート造(RC造) | 通りにくい | 2階:壁の厚みで弱まる/3階:かなり届きにくい |
並び順は電波の通りやすさが高い順です。次に各構造の特徴を説明します。
木造住宅の場合(届きやすい)
木造は壁・床に木材や石膏ボードが使われており、比較的Wi-Fi電波を通しやすい素材です。一般的な2階建ての木造戸建てであれば、1階の中心にホームルーターを置けば、2階まで実用的な強度で届くケースが多くなります。
3階建ての場合は1階設置だと最上階で電波が弱まりがちなため、中間の2階に設置するか、建物の中心付近に寄せるとフロア全体を均等にカバーしやすくなります。木造でも壁の中に金属箔入りの断熱材が入っていると電波が反射されて届きにくくなることがあります。
鉄筋コンクリート造・鉄骨造の場合(届きにくい)
鉄筋コンクリート造(RC造)は壁・床にコンクリートと鉄筋が組み合わさっているため、Wi-Fiの電波が大きく減衰します。1階設置で2階に届かない、隣室の壁1枚で電波が半減するといった現象が起きやすい構造です。
鉄骨造は木造とRC造の中間に位置します。柱・梁に鉄が使われている分、木造より電波を遮りますが、壁材自体は木造に近いケースが多く、RC造ほどの強い遮蔽は受けにくい傾向です。
RC造・鉄骨造では「ホームルーター1台では上階まで届きにくい構造」と前提を置き、後述する中継器やメッシュWi-Fiの併用を最初から検討しておくのが現実的です。
マンション特有の注意点
マンションはRC造が多く、各住戸が分厚いコンクリート壁・床で囲われています。住戸内が単一フロアであれば隣室への到達は問題になりにくい一方、メゾネット(住戸内が2層構造)タイプの場合は戸建てと同じく上下階の到達課題が発生します。
また、マンションでは屋外電波そのものが届きにくい問題も無視できません。特に建物中央寄りの住戸、低層階で周囲をビルに囲まれた立地、地下階・半地下では、基地局からの5G/4G電波が弱いことがあります。設置場所を窓際に寄せて屋外電波を確保するだけで、屋内Wi-Fiの安定度が改善することもあります。
電波が届かない・弱くなる主な原因
「何階まで届くか」は建物構造だけで決まるわけではなく、設置場所・周囲の家電・周波数帯の選択といった複数の要因が重なります。届かないと感じたら、原因を切り分けて確認することで解決の糸口がつかみやすくなります。
ここでは見落とされやすい3つの原因を整理します。
設置場所の高さ・位置の問題
ホームルーターを床に直置きすると、電波が床に吸収されたり、すぐ近くの家具で遮られたりして、上の階まで届きにくくなります。電波は球状に広がるため、床から1〜2m程度の高さに設置するのが基本です。
設置位置は「家の中心」が原則です。1階の角部屋に置くと、対角の部屋や上階の遠い部屋ほど電波が届きません。2階建ての戸建てなら1階のリビング中央あたり、3階建てなら2階の廊下・階段付近が到達範囲のムラを減らしやすい場所です。
また、金属製の棚・水槽・大型ミラーなど電波を反射・吸収する物体のすぐそばに置いてしまうケースも見落とされがちです。ルーターの周囲30cm程度はできるだけ空けておくと、本来の性能を引き出しやすくなります。
電波干渉(電子レンジ・Bluetooth等)
電波干渉とは、複数の機器が同じ周波数帯を使うことで電波が重なり、通信が不安定になる現象のことです。家庭内では2.4GHz帯を使う電子レンジ・Bluetoothイヤホン・コードレス電話などが代表的な干渉源です。
ホームルーターを電子レンジの近くや、Bluetooth機器が多い場所に置いていると、特定の時間帯だけ通信が不安定になることがあります。夕食準備の時間帯にWeb会議が途切れるといった症状は、電波干渉が原因の可能性が高いです。
対策はシンプルで、ルーターと干渉源の距離を物理的に離すことと、接続する周波数帯を5GHz側に切り替えることの2つです。ただし5GHzは壁・床への減衰が大きいため、上階や離れた部屋への到達性が下がる点は後述します。
周波数帯の選択ミス(5GHzを使っている場合)
家庭用Wi-Fiでは2.4GHz帯と5GHz帯が使われます。2.4GHzとは、遠くまで届きやすく障害物に強い反面、家電と干渉しやすい周波数帯です。5GHzとは、速度は速く干渉が少ない反面、壁や床に弱く到達距離が短い周波数帯です。
上の階や離れた部屋まで届かせたい場合、5GHzは床・壁で大きく減衰するため不利になることがあります。ルーターが自動で5GHz側にスマホを接続している家庭は多いため、注意が必要です。
「特定の部屋だけ繋がりにくい」場合は、Wi-Fiの接続先を2.4GHz側のSSIDに切り替えてみると改善することが多いです。SSIDの末尾に「-2.4G」「-5G」などと付いているケースが一般的です。
電波を届かせるための改善策
原因を整理したら、次は具体的な改善手順です。設置場所・周波数の見直し→中継器→メッシュWi-Fiという順に試すのが基本です。費用をかけずにできることから始め、それでも届かない場合に機器追加を検討する流れが無駄を生みません。
中継器とメッシュWi-Fiは家の広さと使い方で選び分けます。
| 比較軸 | 中継器が向く | メッシュWi-Fiが向く |
|---|---|---|
| 家の広さ | 2階建て・2LDK〜3LDK程度 | 3階建て・4LDK以上 |
| 接続台数 | 5〜10台程度 | 10台以上 |
| 同時利用 | スマホ・テレビ中心 | Web会議・ゲーム・動画を複数同時に使う |
| 通信品質へのこだわり | 多少の速度低下は許容 | 速度低下・接続の切れを避けたい |
| 予算 | 5,000〜1万円台 | 2〜5万円台 |
まず追加投資なしでできる「置き場所」と「接続周波数」の見直しから始めます。具体的には次の4点を確認します。
- ルーターを家の中心、床から1〜2mの高さに置き直す
- 金属棚・大型家電・水槽などのすぐ横を避ける
- 上階で使う端末のWi-Fi接続を、5GHzから2.4GHzのSSIDに切り替える
- マンション・RC造など屋外電波が弱い立地では、本体を窓際に移動して受信強度を確認する
ホームルーターは屋外の基地局電波を受信してから室内でWi-Fiを再発信する2段階の仕組みです。本体を窓際に移動して電波強度インジケーター(ランプ・アプリ)を確認し、受信強度が改善するかを見ることが先決になります。受信強度が上がれば、その位置からの室内Wi-Fiの安定性も向上します。
これらを試したうえで改善が乏しい場合は、機器の追加を検討する段階に進みます。
中継器を使う方法と設置のコツ
中継器とは、親機(ホームルーター)のWi-Fi電波を受信し、それを別の場所で再発信して電波の届く範囲を広げる機器のことです。価格は数千円〜1万円台が中心で、コンセントに挿すだけで使えるタイプが多く、導入のハードルは低めです。
設置のコツは「親機と届かせたい場所の中間に置く」ことです。1階リビングに親機を置いて2階寝室まで届かせたい場合は、階段の中段付近に中継器を挿すと効果的です。親機との距離が近すぎず遠すぎない位置を探すのがポイントになります。
中継器は親機との通信と子機(スマホ・PC)との通信に同じ電波を使う仕様の場合、速度が半分程度に低下することがあります。動画視聴・Web閲覧では実用的な速度を保ちやすい一方、高画質ゲームや大容量ファイル転送には不利になる場合があります。
メッシュWi-Fiで家全体をカバーする
メッシュWi-Fiとは、複数の専用機器(ノード)を家の各エリアに設置し、協調して家全体を1つのネットワークでカバーする仕組みのことです。中継器より価格は高いものの、ノード間の通信を専用の周波数帯で行う機種では速度低下が起きにくくなります。
メッシュWi-Fiの特徴は次のとおりです。
- 家全体で1つのSSIDになり、移動しても自動で最適なノードに切り替わる(ローミング)
- 速度低下が抑えられ、上り・下りの安定度が高い
- 専用アプリで電波の見える化や設定変更がしやすい
3階建ての戸建て・在宅ワーク中心の家庭では、最初からメッシュWi-Fiを前提に検討すると後から機器を買い足す手間を省けます。ホームルーター本体にメッシュ機能が搭載されている機種もあるため、ドコモ home 5G公式やSoftBank Air公式の公式ページで仕様を確認してみましょう。機器を増やしても改善が見られない場合は、光回線への切り替えを検討する段階に入ります。
まとめ
ホームルーターの電波が何階まで届くかは、建物の構造・設置場所・周波数帯の選び方・周囲の電波環境という複数の要素が組み合わさって決まります。一つの数字で言い切れるものではなく、自分の家の条件に合わせて判断することが大切です。
木造であれば1階設置でも2〜3階まで届きやすく、RC造や鉄骨造では壁・床の遮蔽で電波が弱まりやすい、というのが大まかな目安です。届かないと感じたら、まず設置場所と接続する周波数帯を見直しましょう。それでも改善しない場合は中継器、家全体を底上げしたい場合はメッシュWi-Fiという順序で検討すると、無駄な出費を抑えられます。
ホームルーターは工事不要で気軽に始められるのが最大の利点ですが、屋外電波そのものが弱い立地や上階までどうしても電波が必要な家では、光回線のほうが安定するケースもあります。自分の家の条件と使い方に合わせて、ホームルーター単体での改善で十分か、回線そのものを見直す段階かを切り分けて考えてみてください。