ホームルーターは高層階でも使える?繋がりにくい原因と対処法
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ホームルーターは工事不要でコンセントに挿すだけで使えるため、マンション住まいの方に人気があります。ただし高層階で使う場合、次のような不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
- 高層階だと電波が届かないのでは?
- 繋がりにくいときに自分で改善できるのか?
- そもそも光回線とどちらを選ぶべきなのか?
本記事では、ホームルーターが高層階で使えるかどうかの判断基準から、電波が弱くなる原因、今すぐ試せる対処法、光回線との使い分けまでをまとめて解説します。
この記事のポイント
- 基地局の高さ(地上約40m≒13階)が電波の安定性を左右する目安になる
- 設置場所の変更や周波数帯の切り替えなど、費用ゼロでできる対処法がある
- 光回線が引ける環境かどうかで最適な回線タイプが変わる
目次
ホームルーターは高層階でも使えるか
結論として、高層階でもホームルーターは使えます。ただし「どの階でも同じように使える」わけではなく、建物の構造や基地局との位置関係によって安定性が変わります。まずは使えるケースと使えないケースを整理しましょう。
高層階でも使えるケース・使えないケース
高層階での利用可否は、主に「電波の受信環境」で決まります。以下の表で目安を確認してください。
| 条件 | 利用の見込み |
|---|---|
| スマホの電波が窓際で4本立つ | 比較的安定して使える可能性が高い |
| 13階以下で周囲に高層ビルが少ない | 安定した通信が期待できる |
| 14階以上で窓が基地局方向を向いている | 使えるが速度低下の可能性あり |
| 14階以上で鉄骨造・周囲にビルが密集 | 不安定になりやすい |
| 公式エリアマップで「エリア外」と表示 | 利用は難しい |
ドコモ home 5Gであればドコモのスマホ、WiMAXであればauのスマホの電波強度がそのまま目安になります。エリアマップを調べる前に、自宅の窓際でスマホの電波状況を確認するのが最も手軽な判断方法です。
何階から不安定になりやすいか
基地局とは、スマホやホームルーターに電波を送る通信設備のことで、ビルの屋上や電柱の上などに設置されています。
一般的に基地局は地上約40mの高さに設置されるケースが多く、これはマンションの13階相当にあたります。基地局のアンテナは地上に向けて電波を飛ばす設計のため、基地局より高い位置では電波を受けにくくなります。
つまり13階が一つの分かれ目で、14階以上では電波強度が落ちやすいと考えておくのがよいでしょう。
ただし「14階以上は使えない」と断言できるものではありません。基地局が近くに複数ある都市部では、18階でも下り30〜60Mbps程度の速度が出たという報告もあります。HD動画視聴は5〜15Mbps、4K動画視聴は20〜25Mbps程度あれば快適に楽しめるため、高層階でも十分実用的なケースは存在します。
高層階で電波が弱くなる3つの原因
高層階で繋がりにくくなる問題は、「建物の構造」「基地局との距離」「電波干渉」の3つが重なって起きます。原因を知っておくと、対処法を選ぶときの判断材料になります。
鉄筋コンクリートが電波を遮る
ホームルーターが使う電波は直進性が高く、障害物があるとそこで弱まる性質を持っています。
鉄筋コンクリート(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)のマンションでは、壁や床に含まれる鉄筋が電波を遮りやすくなります。厚いカーテンを重ねるほど光が弱まるように、コンクリートの壁が多いほど電波も届きにくくなるイメージです。
特にタワーマンションは耐震性を高めるために鉄骨量が多い傾向があり、低層マンションより電波が通りにくいことがあります。
基地局との距離と方向の問題
先ほど触れたとおり、基地局のアンテナは地上方向に向けて設置されています。そのため基地局より高い階では、電波が真横や上方向から届く形になり、受信感度が下がりやすくなります。
また、周囲に高層ビルが多いエリアでは、最寄りの基地局の電波が建物に遮られ、遠方の基地局に接続してしまうこともあります。基地局との距離が遠くなるほど電波は弱まるため、見通しのよい方角に窓があるかどうかも通信品質に影響します。
さらに高層マンションでは住戸数が多いため、夜20〜23時のピーク時間帯に同じ基地局にアクセスが集中し、速度が落ちる輻輳(ふくそう)が起きることがあります。輻輳とは、道路に車が集中して渋滞が起きるのと同じ現象です。これはホームルーターに限った問題ではなく、マンション共用の光回線でも同様に発生する場合があります。
繋がりにくいときの対処法5つ
費用をかけずに試せるものから順に紹介します。機器の買い替えが必要なものは最後にまとめていますので、まずは手軽なものから試してみてください。
設置場所を窓際・開けた場所に変える
最も効果が出やすいのが、ホームルーターの設置場所を変えることです。
窓際に置くことで、基地局からの電波を遮る障害物が減り、受信感度が上がります。反対に、棚の中や家具の裏、床に直置きすると電波が届きにくくなります。
設置場所を選ぶときのポイントをまとめます。
- 窓際で、できるだけ高い位置(机の上など)に置く
- 金属製の棚や家電の近くは避ける
- 複数の窓がある場合は、基地局がある方角の窓際を試す
- 金属コーティングされた窓ガラス(Low-Eガラスなど)は電波を通しにくい場合があるため注意する
- 精密機器のため直射日光が当たる場所は避ける
窓の方角を変えるだけで速度が改善するケースもあるため、いくつかの場所で速度を測り比べてみるのがおすすめです。
周波数帯(2.4GHz/5GHz)を切り替える
ホームルーターは2.4GHzと5GHzの2つの周波数帯でWi-Fiの電波を飛ばしています。それぞれ特性が異なるため、環境に合った方を使うと通信が安定します。
| 項目 | 2.4GHz | 5GHz |
|---|---|---|
| 速度 | やや遅い | 速い |
| 障害物への強さ | 壁を越えやすい | 壁に弱い |
| 電波の届く範囲 | 広い | 狭い |
| 家電からの干渉 | 受けやすい | 受けにくい |
2.4GHz帯は電子レンジやBluetooth機器など、多くの家電と同じ周波数を使っているため干渉が起きやすい特徴があります。電子レンジを使うとWi-Fiが途切れる場合は、5GHzに切り替えると改善する可能性が高いでしょう。
一方、ルーターから離れた部屋で使う場合は、壁を越えやすい2.4GHzの方が安定することもあります。
切り替えは、ルーターの管理画面(機種によって異なりますが、ブラウザで http://web.setting/ などにアクセス)から設定できます。スマホやパソコンのWi-Fi接続先を「◯◯-5G」と末尾に付いたネットワーク名に変えるだけで5GHzに切り替わる機種もあります。
また、マンションでは隣接住戸のルーターが同じWi-Fiチャンネルを使っていて干渉するケースもあります。管理画面でチャンネル設定を「自動」にしておくと、空いているチャンネルを自動で選んでくれるため、費用ゼロで改善できる対策の一つです。
そのほかの対処法
上記2つで改善しない場合は、次の方法も試してみてください。
- 同時に繋いでいるスマホ・パソコン・タブレットの台数が多いと、1台あたりの速度が落ちます。使っていない機器のWi-Fiをオフにするだけで改善することがあります
- ホームルーター本体の電源を抜き、30秒ほど待ってから再度差し込みましょう。SIMカードの抜き差しも有効で、原因不明の接続不良は再起動だけで直るケースが少なくありません
- 3年以上前の機種を使っている場合は、最新機種への変更も選択肢です。旧世代の端末は5G非対応のことがあり、切り替えることで通信品質が大きく改善する可能性があります
契約前の確認と回線の選び方
「使えなかったらどうしよう」という不安は、事前の確認と制度の活用で解消できます。契約前に確認しておきたいポイントと、光回線との使い分けの考え方をまとめます。
事前確認の3つのポイント
契約後に「繋がらなかった」とならないために、次の3つを順番に確認しましょう。
エリア確認
各事業者の公式サイトでサービスエリアマップが公開されています。自宅の住所を入力するだけで、電波が届くかどうかの目安がわかります。
- ドコモ home 5G: ドコモ公式のサービスエリアマップで確認
- UQ WiMAX: UQ WiMAX公式のピンポイントエリア判定で確認
ただし高層階の場合、エリアマップ上は「対応エリア内」でも実際には電波が弱いケースがあります。エリア判定の結果だけで安心せず、次に紹介する試用制度も活用しましょう。
Try WiMAX(15日間お試しレンタル)
UQ WiMAXでは、端末を15日間無料でレンタルできる「Try WiMAX」というサービスを提供しています(UQ WiMAX公式より)。実際の自宅環境で速度や安定性を試せるため、高層階での利用を検討している方にとって有効な確認手段です。
初期契約解除制度
初期契約解除制度とは、電気通信サービスの契約書面を受け取った日から8日以内であれば、違約金なしで契約を解除できる制度です。クーリングオフに似た仕組みで、「届いた端末で通信してみたら繋がりにくかった」といった場合に利用できます。
適用される主な条件は以下のとおりです。
- 契約書面の受領から8日以内に書面(電話・Web等の電磁的方法を含む)で申し出る
- 電波状況が不十分、または契約時の説明と実際のサービス内容が異なる場合
事業者によって手続き方法が異なるため、契約時に初期契約解除の案内を確認しておくと安心です。
光回線が向く人・ホームルーターが向く人
光回線が引ける環境であれば、安定性と速度の面で光回線が優位です。ただし建物の設備状況や暮らし方によって、ホームルーターの方が適しているケースもあります。
| 比較項目(2026年4月時点) | 光回線 | ホームルーター |
|---|---|---|
| 通信の安定性 | 有線接続のため非常に安定 | 電波環境に左右される |
| 最大速度(下り) | 1〜10Gbps | 2.1〜4.2Gbps(ベストエフォート) |
| 工事 | 必要(1〜2か月かかる場合あり) | 不要。届いた日から使える |
| 引っ越し時の対応 | 解約・再契約が必要 | 住所変更手続きだけで移設可能 |
| 月額料金の目安 | 4,000〜7,000円(税込)程度 | 4,500〜5,500円(税込)程度 |
光回線が向くのは、在宅ワークやオンラインゲームなど安定した通信が欠かせない方、同じ住所に長く住む予定の方です。
一方、引っ越しの予定がある方、工事ができない賃貸にお住まいの方、すぐにインターネット環境が必要な方はホームルーターが現実的な選択肢になります。
また意外なケースとして、VDSL方式のマンションではホームルーターの方が速くなることがあります。VDSL方式とは、マンションの共用部まで光ファイバーが来ているものの、各部屋までは電話回線(メタル線)で接続されている配線方式です。
この場合、光回線を契約しても下り最大100Mbpsが上限になります。5G対応のホームルーターであれば実測でこれを上回るケースがあるため、「光回線の工事をしても期待ほど速くならない」物件ではホームルーターも有力な選択肢です。
自宅の配線方式がわからない場合は、マンションの管理会社やインターネット回線の案内書類で確認できます。
高層階でホームルーターを選ぶ場合は、公式エリアマップと窓際スマホの電波状況を両方確認し、5Gエリア対応かどうかも調べておきましょう。Try WiMAXの試用や初期契約解除制度を活用して、実際に試してから判断するのがより確実です。
まとめ
ホームルーターは高層階でも使えますが、基地局の高さ(地上約40m≒13階相当)を超える階では電波が弱まりやすくなります。鉄筋コンクリートの壁や周囲の建物による遮蔽、家電との電波干渉も通信品質に影響する要因です。
繋がりにくさを感じたら、まず設置場所を窓際に変える、周波数帯を切り替えるといった費用のかからない対処法から試してみてください。契約前であればエリアマップの確認やTry WiMAXの活用、初期契約解除制度の把握が不安を和らげる助けになります。
光回線が引ける環境であれば安定性は光回線に軍配が上がりますが、工事ができない物件やVDSL方式のマンション、引っ越しが多い方にはホームルーターが現実的な選択肢です。自宅の環境や暮らし方に合わせて、最適な回線を選んでください。
参考文献
- 総務省「消費者保護ルール(電気通信サービスにおける消費者保護ルール)」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/shohi.htm