光回線の撤去工事が必要なケースと費用の目安
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引越しや賃貸の退去が決まると、光回線の撤去工事が必要かどうか気になる方は多いでしょう。撤去工事には費用がかかるケースもあり、手配が遅れると退去日に間に合わない可能性もあります。
- 自分の回線は撤去工事が必要なのか判断できない
- 費用がいくらかかるのか事前に把握したい
- 手続きの順番や工事当日の流れがわからない
本記事では、撤去工事の要否を判断する方法から、費用相場・手続きの流れ・間に合わない場合の対処法まで順を追って解説します。
この記事のポイント
- 撤去工事が必要かどうかは「物件の契約条件」「回線の種類」「オーナーの意向」の3つで判断できる
- フレッツ光・光コラボは2026年4月以降、派遣工事の場合に費用が発生するようになった。独自回線(auひかり・NURO光など)は別途費用が発生するケースがある
- 引越しシーズン(2〜4月)は予約が混み合うため、退去の1〜2か月前に手配すると安心
目次
光回線の撤去工事とは何か
光回線の撤去工事とは、自宅に引き込んだ光ファイバーケーブルや宅内に設置した機器を取り外す作業のことです。開通工事で敷設した設備を元の状態に戻すために行います。
ここでは撤去工事の具体的な作業内容と、自分で作業できない理由を確認しましょう。
撤去工事で行う作業の内容
撤去工事で行われる作業は、おもに次の3つです。
- 電柱から自宅まで引き込んだ光ファイバーケーブルの取り外し
- 壁に設置された光コンセントの撤去
- ONU(光回線終端装置)やホームゲートウェイなど宅内機器の回収
光コンセントとは、光ファイバーケーブルを室内に引き込む接続口のことです。壁のプレートにLANケーブル端子のような差込口が付いており、ここからONUへケーブルをつなぎます。
ONU(光回線終端装置)とは、光ファイバーの光信号を、LANケーブルで扱える電気信号に変換する装置です。電話機くらいのサイズの白い箱で、通常は光コンセントのそばに設置されています。
工事の範囲は「全撤去」と「一部撤去」の2種類に分かれます。この違いは後のセクションでくわしく説明します。
自分でできない理由
光ファイバーケーブルの撤去作業は、電柱の高所作業や壁面の配線処理を伴います。これらは電気通信工事の専門資格(工事担任者など)を持ち、回線事業者から認定を受けた作業員でなければ行えません。
無資格で光ファイバーを引き抜いたり切断したりすると、ケーブルの断線や建物への損傷を引き起こすおそれがあります。壁の光コンセントの取り外しも配線処理が必要なため、自分で外すのは避けてください。
一方、ONUやルーターなどの宅内機器は、コンセントを抜いてケーブルを外すだけなので自分で取り外せます。取り外した機器は回線事業者に返却する必要がありますので、解約手続き時に返送方法を確認しておきましょう。
撤去工事が必要なケースと不要なケース
撤去工事が必要かどうかは、物件の条件・回線の種類・管理会社やオーナーの意向によって変わります。まずは自分がどちらに該当するか確認してみてください。
必要なケース
撤去工事が必要になるおもなケースは次の3つです。
| ケース | 内容 |
|---|---|
| 賃貸の原状回復義務 | 入居後に自分で光回線を導入した場合、退去時に原状回復(元の状態に戻すこと)を求められることがある |
| 回線事業者から撤去工事を案内されている | 独自回線では解約時に撤去工事を案内される場合がある。費用が発生するかどうかは事業者ごとに異なる |
| 管理会社・オーナーから撤去を指示された | 物件側の判断で「退去時に撤去してほしい」と求められるケース |
原状回復とは、賃貸物件を退去する際に、入居時の状態に戻す義務のことです。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、借主が設置した設備の撤去は借主の負担とされています。
ただし「原状回復」の範囲は契約書の内容によって異なります。光回線の撤去が必要かどうかは、まず賃貸借契約書を確認し、不明な点は管理会社やオーナーに問い合わせましょう。
不要なケース
一方、撤去工事が不要になるケースもあります。
| ケース | 内容 |
|---|---|
| 入居前から光回線が設置されていた | マンションの共用設備として導入済みの場合、個人での撤去は不要 |
| 管理会社・オーナーが「残してよい」と回答した | 次の入居者が利用できるため、撤去不要と判断されるケースも多い |
| フレッツ光・光コラボを利用している | NTT東西のフレッツ光および光コラボ事業者は、撤去工事を義務化していない。ただし派遣工事の場合は2026年4月以降に費用が発生するようになった |
フレッツ光や光コラボ(ドコモ光、ソフトバンク光、ビッグローブ光など)の場合、回線事業者側から撤去を求められることは基本的にありません。ただし、管理会社やオーナーから撤去を求められた場合は、NTT東西に撤去工事を依頼する必要があります。
2026年4月以降は、工事担当者が訪問する派遣工事を行う場合に費用が発生します。工事の形態も合わせて確認しておきましょう。
撤去が必要かどうかの判断は「回線事業者のルール」と「物件側の意向」の2軸で決まります。迷ったら、先に管理会社やオーナーに確認するのがもっとも確実です。
費用相場と工事の種類
撤去工事には「全撤去」と「一部撤去」の2種類があります。どちらになるかは回線事業者の方針や物件側の要望によって決まります。費用は工事の種類と利用している回線によって大きく異なります。
全撤去と一部撤去の違い
全撤去とは、電柱から自宅まで引き込んだ光ファイバーケーブル・壁面の光コンセント・宅内機器をすべて撤去する工事です。建物の外壁や配管に通した光ファイバーも含めて取り除き、開通前の状態に戻します。作業時間は30分〜1時間程度で、立ち合いが必要です。
一部撤去とは、ONUやホームゲートウェイなどの宅内機器のみを撤去し、光ファイバーケーブルや光コンセントは壁面に残す工事です。
| 項目 | 全撤去 | 一部撤去 |
|---|---|---|
| 費用 | 高め(事業者・申込時期により異なる) | 全撤去より安い、または無料になることがある |
| 工事時間 | 30分〜1時間程度 | 短時間で終わる |
| 次の入居者への影響 | 設備が完全に撤去される | 残った設備を再利用できる可能性がある |
| 物件への影響 | 外壁・配管の処理が伴う | 外壁・配管への追加ダメージがない |
一部撤去で済むかどうかは、回線事業者と物件オーナーの両方に確認が必要です。費用を抑えたい場合は「一部撤去で問題ないか」を先に確認しておきましょう。
事業者別の費用一覧
撤去工事の費用は、利用している回線の種類や工事の形態によって異なります。工事担当者が自宅を訪問しない「無派遣工事」で済む場合は費用がかからないケースもありますが、担当者が訪問する「派遣工事」が必要な場合は費用が発生します。
| 回線事業者 | 撤去費用(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| フレッツ光(NTT東日本) | 無派遣:無料 / 派遣工事:戸建11,000円〜・集合住宅9,680円〜 | 2026年4月1日以降の解約申込から派遣工事に費用が発生。公式で最新を確認 |
| フレッツ光(NTT西日本) | 無派遣:無料 / 派遣工事:戸建14,300円〜・集合住宅8,800円〜 | 同上。NTT東西で金額が異なる |
| ドコモ光 | NTT東西の工事費に準ずる | 光コラボのためNTT東西が工事を担当 |
| ソフトバンク光 | NTT東西の工事費に準ずる | 光コラボのためNTT東西が工事を担当 |
| ビッグローブ光 | NTT東西の工事費に準ずる | 光コラボのためNTT東西が工事を担当 |
| auひかり | 撤去工事は任意(希望制)。申込時期により異なり、2018年2月28日以前の申込:11,000円 / 2018年3月1日以降の申込:31,680円 | auひかり公式で確認 |
| NURO光 | 希望者のみ有料 | 金額は公式サイトで要確認 |
| eo光(関西) | 状況により0円〜24,200円 | 工事内容によって異なる。eo光公式で確認 |
| コミュファ光(東海) | 公式サイトで確認 | 機器返却も必要 |
※費用は2026年4月時点の情報です。最新の金額は各事業者の公式サイトで確認してください。
フレッツ光や光コラボ(ドコモ光・ソフトバンク光・ビッグローブ光など)は、2026年4月1日以降の解約申込から、派遣工事が必要な場合に撤去工事費がかかるようになりました(NTT東日本公式・NTT西日本公式より)。
工事担当者が訪問しない無派遣工事を選べる場合は費用がかかりません。
独自回線とは、NTT東西のフレッツ光網を使わず、事業者が独自に敷設した光ファイバー網を利用する回線のことです。auひかり・NURO光・eo光・コミュファ光などが該当します。これらの独自回線は、解約時の撤去工事に費用が発生するケースがあります。
auひかりの撤去工事は任意(義務ではありません)。希望する場合の費用は、2018年2月28日以前の契約は11,000円(税込)、2018年3月1日以降の契約は31,680円(税込)です(auひかり公式より)。
乗り換えキャンペーンで費用が補填されるケース
撤去費用が発生する場合でも、乗り換え先の回線事業者が提供する「違約金・撤去費用の補填キャンペーン」を利用すると、実質的な負担を抑えられる可能性があります。
おもなキャンペーンの仕組みは次のとおりです。
- 乗り換え先の事業者に申し込み後、旧回線の撤去費用の明細(請求書や領収書)を提出する
- 審査のうえ、撤去費用相当額がキャッシュバックまたは月額料金から割引される
- 補填の上限額や適用条件は事業者ごとに異なる
キャンペーンの適用には条件があり、申請手続きを忘れると補填を受けられません。乗り換えを検討している場合は、乗り換え先の事業者の公式サイトで適用条件を事前に確認しておきましょう。
撤去工事の手続きと当日の流れ
撤去工事は「解約手続き → 工事予約 → 当日の立ち合い・機器返却」の3ステップで進みます。手順を把握しておけば、慌てずに対応できます。
解約の手続きと工事予約
まず利用中の回線事業者に連絡し、解約または移転の手続きを行います。手続き時に確認しておきたいポイントは次の3つです。
- 解約の締め切り日:月末締めの事業者が多いですが、解約申請から実際の解約日まで数日〜数週間かかる場合があります。退去日から逆算して早めに連絡しましょう
- 違約金の有無:契約期間の途中で解約すると違約金が発生することがあります。契約更新月であれば違約金はかかりません
- 撤去工事の要否:解約手続き時に確認できます。必要な場合はそのまま工事日程の調整に進みます
解約手続きの方法は事業者によって異なりますが、電話・Web・チャットのいずれかで受け付けている場合がほとんどです。
撤去工事が必要な場合、事業者と工事日程を調整します。予約の目安は退去日の1〜2か月前です。2〜4月の引越しシーズンは工事の予約が集中するため、退去が決まったら早めに連絡しましょう。工事日は平日のみの事業者と、土日祝日も対応している事業者があります。土日祝日は追加料金がかかる場合があります。
工事日が退去日よりも後になると、退去後も鍵を渡せず家賃が発生するおそれがあります。必ず退去日より前の日程で予約を確定させてください。
工事当日の立ち合いと機器返却
工事当日は、作業員が自宅を訪問して撤去作業を行います。立ち合いが必要なため、工事の時間帯は在宅できるようスケジュールを調整してください。
当日の流れは次のとおりです。
- 作業員が到着し、作業範囲の確認を行う
- 光ファイバーケーブル・光コンセントの撤去作業(全撤去の場合)
- ONU・ホームゲートウェイなどの宅内機器の回収
- 作業完了の確認・サイン
機器の返却方法は事業者によって異なります。工事当日に作業員が回収する場合と、後日自分で郵送する場合があります。郵送の場合は返却キットが送られてくることが多いため、届いたら速やかに返送しましょう。
返却が遅れると機器の違約金が請求されることがあります。返却期限を解約手続き時に確認しておくと安心です。
撤去が間に合わないときの対処法
退去日が迫っているのに撤去工事の予約が取れない、あるいは手続きを忘れていたという場合でも、対処する方法はあります。
まず管理会社またはオーナーに「撤去工事が退去日に間に合わない」と連絡してください。事情を説明すれば、退去後の撤去工事を認めてもらえるケースがあります。その際の対応方法は次の2つです。
- 管理会社やオーナーに工事の立ち合いを代行してもらう(退去後に管理会社が鍵を開けて作業員を案内するケース)
- 撤去工事の日程が退去日直後に取れた場合、退去日を数日延長してもらう
退去日を延長した場合、延長した日数分の家賃(日割り計算)が発生するリスクがあります。こうしたリスクを避けるために、次の点を意識しておきましょう。
- 退去が決まったらすぐに回線の解約手続きを行う(荷造りや転居届よりも先に)
- 繁忙期(2〜4月)は2か月前に動く
- 管理会社に撤去の要否を早めに確認する(不要なら手配自体が不要になる)
フレッツ光・光コラボなど撤去を義務化していない回線の場合は、物件オーナーに「回線設備を残置してよいか」と交渉する方法もあります。次の入居者がそのまま使える場合、オーナーが残置を了承してくれるケースがあります。
まとめ
光回線の撤去工事は、すべての人に必要な手続きではありません。フレッツ光・光コラボを利用していて、管理会社やオーナーからも撤去を求められていなければ、工事を依頼する必要はありません。
auひかりやNURO光などの独自回線を利用している場合や、賃貸契約で原状回復が求められている場合は、撤去工事と費用の準備が必要です。フレッツ光・光コラボも2026年4月以降は、派遣工事を依頼する場合に費用が発生するようになっています。
撤去工事をスムーズに進めるために、次の3点を押さえておきましょう。
- 退去が決まったらすぐに管理会社へ撤去の要否を確認する
- 回線事業者に解約の連絡をして、撤去工事の日程を退去日より前に確定させる
- 繁忙期は予約が取りにくいため、1〜2か月前の手配を心がける
費用面では、フレッツ光・光コラボは無派遣工事なら費用がかかりません。派遣工事が必要な場合は数千〜数万円かかります。auひかりは申込時期によって11,000〜31,680円(税込)が目安です。乗り換えを検討中であれば、乗り換え先の補填キャンペーンも確認しておくと負担を抑えられます。
参考文献
- 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000021.html