ルーター変えたら遅くなった原因と対処法|設定・配線・回線を切り分ける
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せっかく新しいルーターに変えたのに、前より遅くなった気がする。夜のWeb会議が途切れやすい、動画の読み込みが遅い——そんな違和感を覚えていないでしょうか。
買い替え後に速度が落ちるケースは、決して珍しくありません。多くの場合、原因は設定や配線のちょっとしたズレにあり、ルーターの性能自体に問題があるわけではないのです。買い替えの判断は間違っていません。設定や配線を見直すだけで改善することも多いです。
この記事のポイント
- まず「有線でも遅いか」を確認するだけで、原因の方向が絞れる
- 買い替え後に遅くなる原因は主に5つ(設定・電波環境・配線・回線)
- 設定で直せる手順と、回線側が原因だった場合の次の確認先がわかる
目次
ルーター変えたら遅くなった——まず確認すべきこと
買い替え後に遅くなったとき、いきなり設定を変えるのは遠回りです。最初に「有線接続でも遅いかどうか」を確認することで、原因の方向が大きく絞られます。
有線でも遅いか、Wi-Fiだけ遅いかで原因が変わる
ルーターとパソコンをLANケーブルで直接つないで、速度を測ってみましょう。スマートフォンのアプリやブラウザで「スピードテスト」と検索すれば、無料で計測できます。計測は朝・昼・夜など時間帯を変えて2〜3回行うと、より正確に状況を把握できます。
有線でも遅い場合は、回線側・配線・二重ルーターなど、回線からルーターまでの間に原因があります。Wi-Fiの電波環境を調整しても改善しにくいパターンです。特に、旧ルーターのときは速かったのに有線でも遅くなった場合は、二重ルーターや設定の引き継ぎミスが疑われます。
Wi-Fiだけ遅い場合は、電波環境・周波数帯・設置場所など、ルーターから端末までの間に原因があります。ルーターの設定や置き場所を見直すことで改善する可能性が高いです。有線では問題ないのにWi-Fiだけ遅いなら、回線自体は正常に動いているとわかります。
この切り分けを最初にするだけで、試すべき対策が半分以下に絞られます。速度計測は1〜2分で終わるので、まずここから始めてください。計測結果のスクリーンショットを残しておくと、設定変更後の比較にも使えます。
買い替え後に遅くなる5つの原因
有線でも遅いか、Wi-Fiだけ遅いかがわかったら、次は具体的な原因を特定していきましょう。買い替え後に遅くなるケースでは、以下の5つが多く見られます。
1. 二重ルーターになっている
二重ルーターとは、ルーター機能を持った機器が2台並んで動いている状態です。イメージとしては、運転手が2人いる車のようなもの。互いに指示を出し合って、かえって通信が混乱してしまいます。
光回線を使っている場合、ONU(光回線終端装置)やホームゲートウェイ(ルーター機能を備えた通信機器)がすでにルーティングをしていることがあります。そこに新しいルーターをルーターモードのまま接続すると、二重ルーター状態になります。
二重ルーターかどうかを確認する簡単な方法があります。パソコンでコマンドプロンプト(Windowsは「cmd」、Macは「ターミナル」)を開き、「tracert 8.8.8.8」(Macは「traceroute 8.8.8.8」)と入力します。最初の2〜3行に「192.168.」で始まるIPアドレスが2つ以上表示されたら、二重ルーター状態の可能性が高いです。
症状としては、速度が不安定になる、有線でも遅い、Web会議やビデオ通話が途切れやすい、といった形で現れます。機種によって「ルーターモード」「APモード(アクセスポイントモード)」「ブリッジモード」など呼び方が異なるため、取扱説明書で確認してください。
2. バンドステアリングで2.4GHzに固定されている
新しいルーターには、2.4GHz帯と5GHz帯を自動で切り替える「バンドステアリング」機能が搭載されていることがあります。便利な機能ですが、状況によっては空いている5GHzではなく、混雑した2.4GHzを選んでしまうことがあります。
イメージとしては、空いている道があるのに、混んでいる道を自動で選んでしまっている状態です。2.4GHz帯は電子レンジやBluetooth機器など、多くの家電と周波数を共有しているため、近くに家電があると干渉を受けやすくなります。
今どちらの周波数帯に接続しているかは、スマートフォンやパソコンのWi-Fi設定画面で確認できます。接続中のSSIDに「5G」や「A」が含まれていなければ、2.4GHz帯につながっている可能性があります。
症状としては、ルーターのすぐそばでもWi-Fiが遅い、夜だけ遅くなる、といった形で現れます。旧ルーターでは2.4GHzと5GHzのSSID(ネットワーク名)が別々だった場合、意識せず5GHzに接続していた可能性があります。
3. 旧機と設置場所が変わった
ルーターの置き場所は、電波の届きに大きく影響します。新しいルーターに変えるタイミングで、設置場所が変わっていないでしょうか。
床に直置き、部屋の隅、金属製の棚や家電の近くは、電波が弱くなりやすい場所です。壁や家具の配置も影響します。特に水槽や金属製のドア、コンクリート壁はWi-Fiの電波を遮りやすい素材です。
新しいルーターの形状やサイズが旧機と異なる場合、同じ棚に置けなかったり、縦置きから横置きに変わったりして、結果的に電波の飛び方が変わることもあります。
編集部の診断でも、ルーターの置き場所を見直すだけで改善したケースは少なくありません。目線の高さに置く、部屋の中央に近づける、家電から離すといった工夫で変わることがあります。家の中でよく使う場所(リビングや作業部屋)からの距離や障害物を意識して、設置場所を再検討してみてください。
4. LANケーブルやハブが100Mbps止まり
いくら速いルーターに変えても、途中の配線が古いままだとボトルネックになります。特に注意したいのがLANケーブルの規格です。
Cat5(カテゴリ5)以下のケーブルは、最大速度が100Mbpsに制限されます。新しいルーターが1Gbps対応でも、ケーブルが100Mbps止まりなら、その速度を超えられません。
| ケーブル規格 | 最大速度 |
|---|---|
| Cat5 | 100Mbps |
| Cat5e | 1Gbps |
| Cat6 | 1Gbps |
| Cat6A以上 | 10Gbps |
ケーブルの規格は、ケーブル本体に印字されていることが多いです。「CAT5E」「CAT6」などの文字を探してみてください。
また、途中にハブ(複数の機器を接続する分岐装置)がある場合、そのハブが古いと同様にボトルネックになります。速度が90Mbps前後で頭打ちになる、いつ測っても同じくらいの速度、という症状が出たら、ケーブルやハブを確認してみましょう。
5. そもそも回線側が上限
有線でも速くならない場合、ルーターではなく回線側に原因がある可能性があります。ルーター交換では解決しにくいパターンです。
夜だけ極端に遅くなる場合は、回線の混雑が考えられます。特にIPv4 PPPoE方式で接続している場合、夜間の混雑の影響を受けやすい傾向があります。20〜23時のピーク時間帯に速度が落ちて、深夜や早朝は速いという場合は、回線混雑の典型的なパターンです。
また、マンションなどの集合住宅では、建物内の配線方式によって速度の上限が決まっていることがあります。VDSL方式やLAN配線方式の場合、最大速度は100Mbps(NTT東日本・西日本のフレッツ光・光コラボにおける仕様)となり、ルーターを変えてもそれ以上にはなりません。
自分のマンションがどの配線方式かわからない場合は、管理会社や回線事業者に問い合わせるか、部屋の壁にある光コンセント(「光」や「OPTICAL」と書かれた差し込み口)の有無で判断できます。光コンセントがあれば光配線方式の可能性が高く、見当たらなければVDSLやLAN配線方式の可能性があります。
有線で測っても遅いなら、ルーター交換では解決しにくいと考えてよいでしょう。
設定で直せる場合の手順
ここまでで原因の見当がついたら、設定を見直してみましょう。以下の手順は、多くのケースで効果が期待できるものです。
二重ルーターの解消(APモード切替)
上流機器(ONUやホームゲートウェイ)がルーター機能を持っている場合、新しいルーターをAPモード(アクセスポイントモード)またはブリッジモードに切り替えます。
一般的な手順は次のとおりです。
- ルーター背面にモード切替スイッチがあれば「AP」「BR」「BRIDGE」などの位置に切り替える
- スイッチがない機種は、ブラウザでルーターの管理画面(多くは192.168.1.1や192.168.0.1)にアクセスして設定を変更する
- 設定後、ルーターの電源を抜いて10秒ほど待ち、再起動する
モード切替後は、ルーターのIPアドレスが変わることがあります。管理画面にアクセスできなくなった場合は、パソコンのネットワーク設定でゲートウェイのIPアドレスを確認してください。
機種によって設定方法が異なるため、取扱説明書やメーカーのサポートページを確認してください。バッファロー、NEC、エレコムなど主要メーカーはWebサイトに設定手順を公開しています。「(メーカー名) APモード 設定」で検索すると、画面付きの手順が見つかることが多いです。
5GHz帯に固定で接続する
バンドステアリングで2.4GHzに固定されてしまう場合、5GHz帯に手動で接続する方法があります。
ルーターが2.4GHzと5GHzのSSIDを分けて発信している場合は、端末のWi-Fi設定で5GHz側のSSIDを選んで接続します。SSIDに「5G」「A」などの文字が入っていることが多いです。
バンドステアリング(1つのSSIDで自動切り替え)の場合は、ルーターの管理画面で2.4GHzと5GHzを分離する設定ができるか確認してください。分離できれば、5GHz側に固定で接続できます。
ただし、5GHz帯は壁や障害物に弱い特性があります。ルーターから離れた部屋で使う場合は、2.4GHz帯の方が安定することもあります。
IPv6接続を確認・再有効化する
旧ルーターでIPv6 IPoE方式を使っていた場合、新しいルーターで再設定が必要なことがあります。IPv6とは、新しいインターネットの住所の仕組みで、夜の混雑時間帯でも比較的空いている道路のようなイメージです。
確認ポイントは次の3つです。
- 契約中のプロバイダがIPv6 IPoE方式に対応しているか
- 新しいルーターがIPv6パススルーまたはIPv6対応機種か
- ルーターの管理画面でIPv6設定が有効になっているか
夜だけ遅い症状には、IPv6への切り替えで改善するケースがあります。ただし、プロバイダやルーターの対応状況によって設定方法が異なるため、プロバイダのサポートページで確認してください。
それでも直らないときの確認先
設定や配線を全部見直しても改善しない場合は、回線側に原因がある可能性が高まります。ルーター側でできることは試し尽くしたと考えてよいでしょう。
次のステップとして、以下を確認してみてください。
プロバイダのサポートに連絡する: 回線の障害情報や、混雑状況を教えてもらえることがあります。IPv6への切り替えや、プラン変更で改善するかどうかも相談できます。
建物の配線方式を確認する: マンションの場合、VDSL方式やLAN配線方式だと最大速度が100Mbpsに制限されます。管理会社や回線事業者に問い合わせると、自分の部屋がどの方式か確認できます。
契約プランの上限速度を確認する: 契約しているプランによって、そもそもの上限速度が異なります。契約書類やプロバイダのマイページで確認できます。
実際に、共用回線で夜間に速度低下が続いていた方が、工事不要のホームルーターに切り替えて改善したケースもあります。ルーター側の問題ではなく、回線の構造的な制約だった例です。
<!-- report-cases: d-MslNFGgvHF, d-jq1HSu0oLJ -->ルーター側の問題を潰してなお改善しない場合は、建物・契約・使い方に合った回線を検討する段階かもしれません。かしこいネット診断なら約3分で、あなたの条件で現実的な選択肢を絞り込めます。
まとめ
ルーターを変えたら遅くなった場合、原因は設定・配線・回線のいずれかにあります。買い替えの判断が間違っていたわけではなく、ちょっとしたズレが速度に影響しているケースがほとんどです。
まずは「有線でも遅いか」を確認してください。これだけで原因の方向が絞られます。設定で直る場合は、新しいルーターの性能をしっかり活かせるようになります。
設定・配線を見直しても改善しない場合は、回線側に原因がある可能性があります。その場合は、建物や契約の条件を踏まえた検討が必要です。
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