ポケット型WiFiに中継器は使える?接続方法と選び方を解説
- #初心者
- #ポケット型WiFi
ポケット型Wi-Fiは手軽に持ち運べて便利ですが、家の中で使っていると電波が届きにくい部屋が出てくることがあります。
- 寝室やリビングの奥で電波が弱い
- Web会議中に接続が不安定になる
- 部屋をまたぐと通信速度が落ちる
本記事では、ポケット型Wi-Fiに中継器を接続して電波範囲を広げる方法を解説します。中継器の仕組みから選び方、設定手順、中継器以外の改善策まで、初心者の方にもわかりやすく紹介していきます。
この記事のポイント
- ポケット型Wi-Fiに中継器は接続可能、ただし屋内利用限定
- 中継器を使うと電波範囲は広がるが、速度は低下する傾向がある
- 購入前に無料でできる改善策を試すのがおすすめ
目次
ポケット型Wi-Fiに中継器は使える?接続の基本
結論から言うと、ポケット型Wi-Fiに中継器を接続することは可能です。TP-Linkやバッファローといったメジャーなメーカーの中継器は、4G/LTE回線を使うポケット型Wi-Fiにも対応しています。ここでは中継器の基本的な仕組みと、接続できるかどうかの判断基準を解説します。
中継器とは何か
中継器(Wi-Fiリピーター)とは、親機から発信されるWi-Fiの電波を受け取り、さらに遠くへ飛ばすための機器です。
ポケット型Wi-Fiの電波が届く範囲は、一般的に10〜20m程度といわれています。ワンルームであれば問題ありませんが、1LDK以上の間取りや、壁を隔てた別の部屋では電波が弱くなることがあります。
中継器を設置すると、ポケット型Wi-Fiの電波を途中でキャッチして増幅し、電波の届きにくい場所まで届けてくれます。イメージとしては、リレー走者がバトンを受け渡すように、電波を中継して届けてくれる機器と考えるとわかりやすいでしょう。
似た機器にメッシュWi-Fiがありますが、こちらは複数の機器が連携して家全体をカバーする仕組みです。中継器は1台で電波を延長するシンプルな方式で、価格も手頃なため導入しやすいという特徴があります。
接続可能かどうかの判断基準
ポケット型Wi-Fiに中継器を接続する前に、以下の3点を確認しておきましょう。
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| プライバシーセパレーター機能 | オフになっているか確認。オンだと中継器が接続できない |
| 親機の通信速度 | 20Mbps以上出ているか確認。10Mbps以下では効果が薄い |
| 利用場所 | 屋内での使用に限定。屋外使用は電波法違反のリスクあり |
プライバシーセパレーターとは、Wi-Fiに接続している機器同士の通信を遮断する機能です。セキュリティ対策として有効ですが、この機能がオンになっていると中継器が親機と通信できず、接続に失敗します。ポケット型Wi-Fiの設定画面から確認し、必要に応じてオフにしてください。
通信速度については、中継器を経由すると速度が低下する傾向があるため、元の速度に余裕がないと効果を実感しにくくなります。事前にスマートフォンのスピードテストアプリなどで、ポケット型Wi-Fiの速度を測っておくとよいでしょう。
屋外での中継器使用は、5GHz帯の一部周波数(特にW53)が電波法で屋外利用を禁止されているため、メーカー各社も屋内利用を推奨しています。
中継器を使うメリット・デメリット
中継器の導入を検討する際は、メリットだけでなくデメリットも把握しておくことが大切です。それぞれ具体的に見ていきましょう。
中継器のメリット
中継器を使う主なメリットは以下の3つです。
- 工事不要で手軽に導入できる:コンセントに挿すだけで使える製品がほとんどです。光回線のような開通工事は必要ありません。
- 電波の届かない部屋を解消できる:寝室やリビングの奥など、これまで電波が弱かった場所でも安定して通信できるようになります。
- 価格が比較的安い:中継器の価格帯は3,000〜5,000円程度が中心です。高機能なモデルでも1万円以下で購入できるものが多く、初期費用を抑えられます。
賃貸住宅で光回線の工事許可を取るのが難しい場合や、一時的に電波環境を改善したい場合に便利な選択肢です。
中継器のデメリット・注意点
一方で、中継器には以下のようなデメリットや注意点があります。
- 通信速度が低下する:中継器は親機の電波を受信して再送信するため、理論上は速度が半分程度になることがあります。動画視聴やWeb閲覧であれば問題ないことが多いですが、オンラインゲームや大容量ファイルのダウンロードには向かない場合があります。
- 接続台数のカウントに注意:ポケット型Wi-Fiは同時接続台数が10台以下に制限されている機種が多くあります。中継器を経由して接続した端末は、2台分としてカウントされることがあるため、接続台数の上限に注意が必要です。
- 元の速度が遅いと効果が薄い:親機の通信速度が10Mbps以下の環境では、中継器を導入しても快適な通信は難しいでしょう。中継器はあくまで電波の届く範囲を広げる機器であり、速度を向上させるものではありません。
- 屋外使用は電波法違反のリスク:前述のとおり、5GHz帯の一部周波数での屋外使用は電波法で禁止されています。また、屋外では中継器への安定した電源供給も困難です。
中継器の選び方
ポケット型Wi-Fiに適した中継器を選ぶためのポイントを3つに絞って解説します。購入前にチェックしておくことで、失敗を防げます。
選ぶときの3つのポイント
1. デュアルバンド対応かどうか
Wi-Fiには2.4GHz帯と5GHz帯という2つの周波数帯があります。
| 周波数帯 | 特徴 |
|---|---|
| 2.4GHz | 遠くまで届きやすい。壁や障害物に強い。ただし電子レンジなどと干渉しやすく混雑しやすい |
| 5GHz | 速度が速い。干渉が少ない。ただし壁などの障害物に弱く、遠くまで届きにくい |
両方の周波数帯に対応した「デュアルバンド対応」の中継器を選ぶと、状況に応じて使い分けができます。部屋の構造や使用環境に合わせて最適な周波数を選べるため、より快適な通信が期待できます。
2. WPS対応かどうか
WPS(Wi-Fi Protected Setup)とは、ボタンを押すだけでWi-Fi接続の設定が完了する機能です。
WPS対応の中継器であれば、ポケット型Wi-FiのWPSボタンと中継器のWPSボタンを順番に押すだけで接続設定が完了します。手動でSSIDやパスワードを入力する必要がないため、設定に自信がない方でも簡単に導入できます。
3. 有線LANポートの有無
デスクトップパソコンや一部のゲーム機など、Wi-Fi機能を持たない機器を接続したい場合は、有線LANポート付きの中継器がおすすめです。中継器の有線LANポートにLANケーブルを挿すことで、無線非対応の機器でもインターネット接続が可能になります。
中継器の設定方法
中継器の設定は、多くの場合WPSボタンを使えば数分で完了します。ここではWPSを使った設定手順と、うまくいかない場合の対処法を紹介します。
WPSボタンを使った設定手順
WPS対応の中継器とポケット型Wi-Fiを接続する基本的な手順は以下のとおりです。
- 親機の近くで中継器の電源を入れる:まずはポケット型Wi-Fiのすぐそば(1〜3m以内)で中継器のコンセントを挿し、電源を入れます。距離が離れていると電波が不安定になり、設定に失敗することがあります。
- ポケット型Wi-FiのWPSボタンを押す:ポケット型Wi-Fi本体のWPSボタンを長押しします。機種によっては「SET」や「無線」ボタンと表記されている場合もあります。
- 中継器のWPSボタンを押す:ポケット型Wi-Fi側のWPSが有効になったら、続けて中継器のWPSボタン(製品によっては「RE」ボタンなど)を長押しします。
- 接続完了を確認する:中継器のランプが点滅から点灯に変わったら接続完了です。接続完了まで1〜2分程度かかることがあります。
- 設置場所に移動する:接続設定が完了したら、中継器のコンセントを抜いて、電波を中継したい場所に移動させます。一度設定が完了すれば、電源を入れ直しても再設定は不要です。
設置場所は、ポケット型Wi-Fiと電波が届きにくい部屋の中間地点がおすすめです。中継器のランプで電波強度を確認できる製品も多いので、最適な位置を探してみてください。
設定がうまくいかない時の対処法
WPSボタンを押しても接続できない場合は、以下の対処法を試してみてください。
- WPSボタンの押し方を確認する:長押しの秒数は製品によって異なります(2秒〜5秒程度)。取扱説明書やメーカーの公式サイトで正しい押し方を確認しましょう。
- 手動設定に切り替える:WPSに対応していない場合や、WPSがうまく動作しない場合は、スマートフォンやパソコンから中継器の設定画面にアクセスして手動で設定します。中継器のSSIDに接続し、ブラウザで設定画面を開いて親機のSSIDとパスワードを入力します。
- ファームウェアを更新する:中継器のファームウェア(内部ソフトウェア)が古いと、接続に問題が生じることがあります。メーカーの公式サイトから最新版をダウンロードして更新してみてください。
- 周波数帯を変更する:2.4GHz帯で接続できない場合は5GHz帯で試す、またはその逆を試すことで接続できる場合があります。
中継器以外の電波改善方法
中継器の購入を決める前に、まずは無料でできる改善策を試してみることをおすすめします。設置場所の変更や設定の見直しだけで、電波状況が改善することもあります。
無料でできる改善策
以下の方法は費用をかけずに今すぐ試せます。
- 設置場所を変える:窓際や部屋の中心、できるだけ高い位置にポケット型Wi-Fiを置くと、電波が届きやすくなります。床に置くよりも、棚の上などに置いた方が効果的です。
- 周波数帯を切り替える:2.4GHz帯と5GHz帯を切り替えてみましょう。壁越しの通信には2.4GHz、近距離で高速通信したいときは5GHzが適しています。
- 障害物から離す:金属製の家具や水槽、電子レンジの近くはWi-Fi電波が遮られやすくなります。これらからできるだけ離れた場所に設置してください。
- 端末とポケット型Wi-Fiを再起動する:一時的なエラーが原因で通信が不安定になっていることがあります。スマートフォンやパソコン、ポケット型Wi-Fi本体を再起動してみましょう。
- 接続機器数を減らす:同時に接続している機器が多いと、通信速度が分散されます。使っていない機器のWi-Fi接続をオフにしてみてください。
また、クレードルという機器を使う方法もあります。クレードルとは、ポケット型Wi-Fiを置くスタンド型の台座で、有線LAN接続に対応しているものもあります。ポケット型Wi-Fiの機種によっては、クレードルを使うことで電波の安定性が向上する場合があります。
根本的に解決したいなら回線の見直しを
中継器はあくまで電波の届く範囲を広げるための一時的な対策です。以下のような場合は、回線自体の見直しを検討してもよいでしょう。
- Web会議や動画視聴で頻繁に通信が途切れる
- 複数の部屋で同時に安定した通信が必要
- オンラインゲームで低遅延の通信が求められる
ホームルーターは工事不要でコンセントに挿すだけで使え、ポケット型Wi-Fiよりも電波が強い傾向があります。据え置き型のため、家族での利用や在宅ワークにも適しています。
より安定した高速通信が必要であれば、光回線の導入も選択肢になります。工事は必要ですが、通信速度や安定性はポケット型Wi-Fiやホームルーターを上回ります。
どの回線が自分に合っているかわからない場合は、利用状況や優先したいポイントに応じて診断できるサービスを活用してみてください。
まとめ
ポケット型Wi-Fiに中継器を接続して電波範囲を広げることは可能です。中継器を使えば、これまで電波が届きにくかった部屋でもWi-Fiを利用できるようになります。
ただし、中継器を経由すると通信速度は低下する傾向があり、屋外での使用は電波法違反のリスクがあるため屋内利用に限られます。また、元の通信速度が10Mbps以下の環境では十分な効果が得られないこともあります。
中継器を購入する前に、まずはポケット型Wi-Fiの設置場所を変えたり、周波数帯を切り替えたりといった無料の改善策を試してみてください。それでも改善しない場合は、デュアルバンド対応でWPS機能付きの中継器を検討するとよいでしょう。
常に安定した通信環境が必要な場合は、ホームルーターや光回線への乗り換えも視野に入れて、自分に合った回線を選んでみてください。
参考文献
- 総務省「無線LANの屋外利用について」 https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/wlan_outdoor/index.htm