リモートワークの通信速度目安|下り上りpingの基準
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Zoomで声が途切れる。画面共有をすると映像が固まる。速度テストでは30Mbps出ているはずなのに、なぜか会議中だけ不安定になる——そんな経験はありませんか。
リモートワークのネット環境について、同じ悩みを持つ方は少なくありません。
- 「会議中に自分の声が相手に届かないことがある」
- 「画面共有をするとカクつく」
- 「大きなファイルを送るのに時間がかかりすぎる」
本記事では、リモートワークに必要な通信速度の目安を「下り」「上り」「ping」の3つの指標に分けて解説します。「速度は足りているのに不安定」という症状の原因と、回線を変えなくても試せる対処法もあわせて紹介します。
この記事のポイント
- リモートワークの速度目安は下り10〜30Mbps、上り5Mbps以上、ping50ms以下
- 速度が足りていても会議が途切れる原因は「ping」や「ジッター」にある
- 有線接続やIPv6 IPoE化など、回線を変えずに安定させる方法がある
目次
リモートワークに必要な通信速度の目安——下り・上り・pingの3指標
リモートワークで快適に仕事をするために必要な通信速度は、用途によって異なります。「下り」「上り」「ping」の3つの指標を押さえておくと、自分の環境が十分かどうかを判断できます。
下り速度: 10〜30Mbpsあれば基本は快適
下り速度とは、インターネットからデータを受け取る速さのことです。動画を見る、Webページを開く、相手の映像を受信する、といった操作に影響します。
リモートワークの用途別に、下り速度の目安をまとめました。
| 用途 | 下り速度の目安 |
|---|---|
| メール・チャット | 1Mbps |
| Webページ閲覧 | 5〜10Mbps |
| ビデオ会議(1対1) | 3Mbps |
| ビデオ会議(複数人) | 5〜10Mbps |
| 動画視聴(HD画質) | 10〜20Mbps |
※上記は本記事での目安です。実際に必要な速度は利用するツールや同時接続台数によって変動します。
Zoom公式のシステム要件によると、Zoomのビデオ通話に推奨される下り速度は画質によって異なり、標準的な画質で600kbps程度、1080p HD画質では3.0Mbps程度が目安とされています。
ただし、複数のアプリを同時に使う場合や、家族も同時にネットを使う環境では、余裕を持って10〜30Mbps以上あると安心です。
上り速度: 画面共有・ファイル送信で効いてくる
上り速度とは、自分からインターネットにデータを送る速さのことです。自分の映像や音声を相手に送る、ファイルをクラウドにアップロードする、画面共有をする、といった操作に影響します。
速度テストで表示される数値は「下り」が大きく出ることが多いですが、リモートワークでは上りも同じくらい重要です。
| 用途 | 上り速度の目安 |
|---|---|
| 音声のみの会議 | 1〜3Mbps |
| ビデオ会議(自分の映像を送る) | 3〜5Mbps |
| 画面共有 | 5〜10Mbps |
| 大容量ファイルの送信 | 10〜20Mbps |
※上記は本記事での目安です。実際に必要な速度は利用するツールや同時接続台数によって変動します。
Zoom公式では、1対1・グループとも1080p映像を送る場合は上り3.8Mbpsが目安とされています。画面共有を頻繁に行う仕事では、上り5Mbps以上を確保しておくとストレスが減ります。
実際に、Webデザインの仕事でフルリモート勤務をしている方から「大容量ファイルの送信が夕方〜夜に3〜5倍の時間がかかる」という相談が編集部の診断サービスに寄せられたことがあります。下りは300〜500Mbps出ているのに、上りがボトルネックになっていたケースでした。※個別の相談事例であり、効果を保証するものではありません。
上り速度の確認方法: FAST.com等の速度テストサイトで測定後、「詳細を表示」をクリックすると上り速度(アップロード)が表示されます。下りだけを見て安心しないことが大切です。
pingの目安: 50ms以下が快適ライン
ping(ピン)とは、通信の応答にかかる時間のことです。単位はms(ミリ秒)で、数値が小さいほど反応が速くなります。キャッチボールで言えば、ボールを投げてから相手が受け取り、投げ返して自分の手元に戻るまでの時間をイメージしてください。
| ping | 体感 |
|---|---|
| 30ms以下 | 優秀。リアルタイム通信が快適 |
| 30〜50ms | 快適。ビデオ会議に支障なし |
| 50〜100ms | やや遅延を感じることがある |
| 100ms超 | 会話のズレ・ラグが発生しやすい |
※上記は本記事での目安です。快適さの感じ方は使用するツールや回線環境によって異なります。
ビデオ会議では、pingが高いと「相手の発言から返答までにタイムラグが生じる」「リアクションが遅れて会話のテンポが崩れる」といった支障が出ます。オンラインゲームほどシビアではありませんが、50ms以下を目安にしておくとスムーズです。
速度は足りているのに不安定——原因はpingとジッター
「下りも上りも十分な速度が出ているのに、会議中に映像が固まる」「速度テストでは問題ないのに、なぜか不安定」——この症状の原因は、速度ではなくpingやジッターにあるケースが多いです。
リモートワークのネット環境の相談では、このパターンがよく見られます。速度の数字だけを見て安心していると見落としがちなポイントです。
ping(遅延)が高いと何が起きるか
pingが高い、つまり応答時間が長いと、以下のような症状が出ます。
- 音声の遅延: 相手の声が遅れて届く、会話がかぶる
- 反応のラグ: 画面共有で操作してから相手に反映されるまで時間がかかる
- 操作のもたつき: クラウドアプリの入力が反映されるのが遅い
pingが高くなる原因は主に3つあります。
- 回線の混雑: 夜間や休日など利用者が集中する時間帯
- ルーターの処理遅延: 古いルーターや負荷が高い状態
- サーバーまでの経路: 接続先が物理的に遠い、または経由地点が多い
ジッター(揺らぎ)が大きいと何が起きるか
ジッターとは、通信速度の「ブレ」のことです。pingの値が安定せず、ある瞬間は30ms、次の瞬間は100ms、というように揺れ動く状態を指します。
ジッターが大きいと、以下のような症状が出ます。
- 映像がカクつく: 滑らかに動いていたのに突然止まる
- 音声が途切れる: 言葉の途中で音が飛ぶ
- 画面共有が止まる: 操作中に固まり、数秒後に一気に動く
pingの平均値は良くても、ジッターが大きいとリアルタイム通信は不安定になります。速度テストサイトによっては「ジッター」の値を表示するものもあります(Ooklaのspeedtest.netなど)。目安として、20ms以下なら良好、50ms以上は不安定になりやすい傾向があります(※本記事の目安です)。
ジッターが大きくなる原因は、主に以下の3つです。
- Wi-Fiの電波干渉: 電子レンジ・Bluetooth機器・近隣のWi-Fiとの干渉
- ルーターの負荷: 接続台数が多い、古いルーターで処理が追いつかない
- 回線の品質: ケーブルの劣化、回線自体の不安定さ
速度の測り方と見るべき数字
自分の通信環境を把握するために、速度テストで「下り」「上り」「ping」の3つを確認しましょう。
よく使われる速度テストサイトを3つ紹介します。
| サイト | 特徴 |
|---|---|
| FAST.com | Netflixが運営。シンプルで直感的。上りやpingは「詳細を表示」で確認 |
| Googleスピードテスト | 検索バーに「スピードテスト」と入力するだけ。手軽に測定できる |
| Ookla Speedtest | 下り・上り・ping・ジッターをまとめて測定できる代表的な速度テストサービス |
見るべき数字と判断の目安:
- 下りはOK、上りが低い: 画面共有やファイル送信がボトルネックの可能性
- 速度はOK、pingが高い: リアルタイム通信(会議・通話)で遅延が出る原因
- 全部OK、それでも不安定: ジッターまたはパケットロス(通信データの欠落)を疑う
速度テストは1回だけでなく、会議中に遅いと感じる時間帯(夜や昼休みなど)にも測定してみてください。時間帯によって数値が大きく変わることがあります。
不安定なときの対処法——回線を変えなくてもできること
速度が足りているのに不安定な場合、回線を乗り換える前に試せる対処法があります。以下の順番で試してみてください。
有線接続: pingとジッターに最も効く
Wi-Fiではなく、LANケーブルで直接つなぐのが最もシンプルで効果的な対処法です。
Wi-Fiは電波干渉や距離の影響を受けやすく、pingやジッターが不安定になりがちです。有線接続にするだけで、pingやジッターが安定しやすくなるケースも珍しくありません。
すべてのデバイスを有線にする必要はありません。ビデオ会議に使うパソコンだけでも有線にする価値があります。ノートパソコンの場合は、USB-LANアダプタを使えば有線接続できます。
IPv6 IPoE化: 夜間の混雑を回避
IPv6 IPoEとは、IPv6という通信規格と、IPoEという接続方式を組み合わせた接続のことです。従来主流だったPPPoE方式は、夜間などアクセスが集中する時間帯に「網終端装置」と呼ばれる特定のポイントへ通信が集中しやすく、これが夜間の速度低下の一因になっています。IPoE方式はこの混雑ポイントを経由しない仕組みのため、夜でも速度が落ちにくい傾向があります。
なお、この網終端装置による混雑は主にNTT東日本・西日本のフレッツ光や光コラボ回線で起こりやすい仕組みです。独自回線(NURO光やauひかりなど)はネットワーク構成が異なり、混雑の起こり方も異なります。
プロバイダによっては、無料のオプション申し込みでIPv6 IPoE接続に切り替えられます。現在の契約内容を確認し、まだIPv6 IPoEを使っていないなら切り替えを検討してください。
ただし、IPv6 IPoE化で改善するのは主に「混雑による速度低下」です。pingやジッターの改善は限定的なので、有線化とあわせて試すのがおすすめです。
ルーター・機器の見直しとQoS設定
ルーターの寿命は一般的に5年程度が目安とされています(※本記事の目安です)。それ以上使っている場合は、処理能力が追いついておらずpingやジッターが悪化している可能性があります。
Wi-Fi 6対応ルーターに買い替えると、複数台の同時接続でも安定しやすくなります。家族も同時にネットを使う環境では効果を実感しやすいでしょう。
また、ルーターのQoS(Quality of Service)設定で、ビデオ会議アプリのトラフィックを優先する方法もあります。設定画面から「QoS」や「帯域優先」を探し、ZoomやTeamsを優先登録します。ただし、機種によって対応・非対応が分かれます。
編集部の診断サービスでは、「ホームルーターを使っていたがリアルタイム通信が安定しなかった」という相談から、光回線への乗り換えを提案したケースがありました。ホームルーターは手軽ですが、pingの安定性では光回線に劣ることがあります。※個別の相談事例であり、効果を保証するものではありません。
回線の乗り換えを検討するタイミング
上記の対処を試しても改善しない場合、または以下に当てはまる場合は、回線自体の見直しを検討するタイミングです。
- そもそも上りの上限が低い回線: VDSL方式(NTT東日本・西日本のフレッツ光・光コラボにおける配線方式のひとつで最大100Mbps。独自回線では方式・上限が異なります)、モバイル回線(LTE・5G等)を利用した固定回線など
- 夜間の混雑が慢性的: IPv6 IPoE化しても夜に遅い
- 同時利用者が多い: 家族で在宅勤務が重なる、子どものオンライン授業と同時
「夫婦で在宅勤務をしており、Zoomが重なると回線がカクつく」という相談から、混雑に強いとされる独自回線の光に乗り換えた方もいます。夫婦とも在宅勤務の日がある家庭では、混雑に強い回線を選ぶのが現実的な解決策です。※個別の相談事例であり、効果を保証するものではありません。
診断への橋: 下りの速度は足りているはずなのに不安定——その原因が上り・ping・回線の混雑のどれか切り分けるには、建物と使い方を診断に入力してください。かしこいネット診断なら約3分で、あなたの環境に合った改善策を確認できます。
まとめ
リモートワークに必要な通信速度は、用途によって異なります。基本的な目安は以下のとおりです。
- 下り: 10〜30Mbps(ビデオ会議・Web閲覧・動画視聴)
- 上り: 5Mbps以上(画面共有・ファイル送信)
- ping: 50ms以下(リアルタイム通信の快適ライン)
速度は足りているのに会議が途切れる場合、原因はpingやジッターにあることが多いです。速度テストで下り・上り・pingをまとめて確認し、特に夜間など不安定になりやすい時間帯に測定してみてください。
対処法は、まず有線接続を試し、次にIPv6 IPoE化やルーターの見直しを検討する順番がおすすめです。それでも改善しない場合や、そもそも回線の上限が低い場合は、回線自体の乗り換えを視野に入れてください。