ホームルーターを乗り換える手順と費用の抑え方
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ホームルーターは工事不要で手軽に始められる分、乗り換えも簡単に見えがちです。ただし、次の3点を見落とすと、安くしようとして逆に損するケースがあります。
- 更新月を外したときの解約金
- 端末代金の分割払い残債
- キャッシュバックの申請期限
本記事では、ホームルーターの乗り換えを損なく完了するためのタイミング・費用・手順を順番に説明します。
この記事のポイント
- 乗り換えのベストタイミングは更新月か、違約金負担キャンペーン活用の2択
- 違約金より端末残債の方が高額になるケースが増えている
- 新しいルーターが届いてから旧回線を解約する順番が基本
目次
ホームルーターを乗り換えるタイミング
乗り換えで損をしないために、まず押さえておきたいのが「いつ動くか」です。同じサービスでも、タイミングを誤るだけで数万円単位の費用差が出ることがあります。
更新月・契約満了のタイミング
更新月とは、契約期間が満了し、違約金なしで解約できる期間のことです。多くのホームルーターは2年または3年の契約期間が設定されており、満了月とその前後1か月程度が更新月にあたります。
更新月に解約すれば、契約期間途中で発生する解約金がかかりません。「契約解除料」「違約金」など呼び方は事業者ごとに異なりますが、更新月以外に解約するとほぼ確実に発生する費用です。
更新月の確認は、各社の会員ページから行えます。画面上で残り月数が表示されるサービスが多いため、まずはログインして確認するのが手早い方法です。
注意したいのは自動更新です。更新月を1か月でも過ぎると、その時点から再び契約期間がスタートします。満了月が近づいたら早めにカレンダーに登録しておきましょう。
引っ越しや速度不満があるとき
引っ越しは、ホームルーターを見直す絶好のタイミングです。新居の電波環境は現在と異なるため、これまで快適に使えていたサービスでも、引っ越し先では速度が出ないことがあります。
引っ越し前に必ずしておきたいのが、新居エリアの対応確認です。各社の公式サイトでは郵便番号や住所を入力するとエリア判定ができます。「△」判定の場合は口コミや実測値データも合わせて確認しましょう。
動画が止まる、Web会議の途中で切れるといった速度不満が続く場合も乗り換えのサインです。ただし乗り換え前に、ルーターの設置場所を窓際に変えるだけで改善するケースもあるため、原因を切り分けてから判断することをおすすめします。
乗り換え前に確認すること
乗り換えを決めたら、今の契約の中身を整理します。乗り換え費用は新しい回線側より、旧回線側で発生する金額の方が大きくなることが多いため、見落とすと数万円単位の損になります。
現在の契約状況(縛り・残り期間・残債)
最初に確認するのは、現在の契約の縛り・残り期間・残債の3点です。それぞれ確認場所と確認内容が異なります。
| 確認項目 | 確認できる場所 | 確認する内容 |
|---|---|---|
| 契約期間 | 契約書・会員ページ | 2年契約か3年契約か、自動更新の有無 |
| 更新月 | 会員ページ・マイページ | 違約金なしで解約できる月 |
| 違約金額 | 会員ページ・契約書 | 更新月外で解約した場合の金額 |
| 端末残債 | 会員ページ・請求明細 | 分割払いの残り回数と総額 |
2022年7月以降に締結された契約では、違約金は月額料金相当額が上限と定められています。改正前の契約(最大2万円前後)と比べると大幅に下がっており、違約金そのものの負担は以前ほど大きくありません。
一方で見落としやすいのが端末残債です。ホームルーターの端末代金は3〜7万円前後で、24〜36回の分割払いに設定されているケースが一般的です。途中で解約すると残額が一括請求または分割継続になります。
乗り換え費用の全体像
乗り換えで実際にかかる費用は、旧回線側と新回線側の両方で発生します。先に全体像を把握しておくと、損益分岐点が見えやすくなります。
| 費用項目 | 金額の目安 | 発生タイミング |
|---|---|---|
| 旧回線の解約金 | 月額の1か月分程度(税込) | 解約月 |
| 旧回線の端末残債 | 残回数×分割額(税込) | 解約後に一括または分割継続 |
| 旧回線の解約月料金 | 月額相当(税込)※日割りなしが多い | 解約月 |
| 新回線の事務手数料 | 3,300円(税込)前後 | 申し込み時 |
| 新回線の端末代 | 0〜71,280円(税込)※実質無料の場合もあり | 申し込み時または分割 |
| 新回線の初月料金 | 月額相当(税込)※日割りありの場合あり | 開通月 |
実質月額料金は「(月額×想定利用期間+初期費用-キャッシュバック)÷想定利用期間(か月)」で計算します。表面の月額料金だけで判断すると、初期費用やキャンペーン終了後の値上がりを含めた場合に、現状維持より高くなるケースもあります。
たとえば「1年目は2,000円、2年目以降4,500円」というプランの場合、3年間の実質月額は約3,667円(税込)です。表示の「2,000円」だけで判断すると、想定より2倍近い負担になります。
乗り換え先の選び方
乗り換え先を選ぶ軸はいくつかありますが、特に効果が大きいのが「使うスマホキャリア」「実質月額」「実測速度」の3つです。順番に整理します。
使うスマホキャリアで絞る(セット割)
セット割とは、ホームルーターとスマホを同じキャリア系列で揃えることで適用される、スマホ側の月額割引のことです。割引額は1回線あたり月最大1,100〜1,210円(税込)で、家族全員が同じキャリアなら人数分の割引が受けられます(キャリア・プランにより異なります)。
主要なホームルーターと対応キャリアの組み合わせは次のとおりです。
| ホームルーター | セット割対象 | 割引額の目安(税込) |
|---|---|---|
| ドコモhome 5G | ドコモのスマホ(eximo・irumo等) | 月最大1,210円/回線 |
| ソフトバンクエアー(モバレコエアー) | ソフトバンク・ワイモバイル | 月最大1,100円/回線 |
| WiMAXホームルーター | au・UQモバイル | 月最大1,100円/回線 |
家族4人が同キャリアの場合、年間最大52,800円(税込)の割引になります。ホームルーター単体の月額差が500〜1,000円程度であっても、セット割の効果で総コストが逆転することは珍しくありません。乗り換え先を絞り込む前に、まず家族のスマホキャリアを確認することが合理的な判断順序です。
実質月額と実測速度で比べる
表面の月額料金だけで比較すると、キャンペーン終了後の値上げや端末代の分割払いを見落とします。比較の軸は実質月額に統一しましょう。実質月額の計算式は「(月額の合計+初期費用-キャッシュバック)÷想定利用期間(か月)」です。
主要ホームルーター3系統の参考比較は以下のとおりです(2026年6月時点・各社公式情報をもとに編集部で算出)。
| サービス | 月額料金(税込) | 端末代(税込) | 主なキャンペーン |
|---|---|---|---|
| ドコモhome 5G | 5,280円 | 73,260円(月々サポートで実質無料) | dポイント最大22,000pt・乗り換え特典あり |
| ソフトバンクエアー | 5,368円 | 71,280円(月月割で実質無料) | 24か月間月額割引・違約金負担あり |
| WiMAX(プロバイダ各社) | 4,807〜5,280円前後 | 0〜27,720円 | キャッシュバック・違約金負担あり |
速度については、スペック表の「下り最大4.2Gbps」といった数字は理論値であり、実環境では到底出ません。実際に体感する速度は、ユーザーの実測値データで確認します。
「みんなのネット回線速度(みんそく)」ではサービス名・地域・時間帯を指定して直近の平均が見られます。夜間と日中で数倍の差が出ることもあるため、複数の時間帯のデータで平均と最低値を確認しましょう。
乗り換えの手順
乗り換えの手順は、新しい回線を申し込んでから旧回線を解約する順番が基本です。逆にすると、ネットが使えない空白期間が生じる可能性があります。具体的に3ステップで進めます。
キャンペーンを確認して申し込む
違約金負担キャンペーンとは、乗り換え先の事業者が旧回線で発生した解約金や端末残債を一定額まで補填してくれる特典のことです。更新月を待たずに乗り換える場合の、もっとも有効な手段です。
確認すべきポイントは、対象費用(解約金のみか端末残債も含むか)・補填の上限額・申請書類・申請期限の4点です。有料オプション加入が条件のケースもあるため、オプション料金を含めた実質負担も再計算しましょう。
乗り換え先が決まったら、各社の公式サイトから申し込みます。申し込みから端末到着まで多くのサービスで1〜3日程度です。端末が届いたら、コンセントに挿すだけで初期設定は完了します。
旧回線を解約する
新しいルーターで通信できることを確認してから、旧回線の解約手続きに進みます。解約方法はサービスごとに異なりますが、電話受付が中心で、一部のサービスは会員ページからオンラインで申請できます。
同月内に2回線分の料金が発生しても、ネットが使えない不便と比べれば1か月分の重複は許容範囲です。どうしても重複を避けたい場合は、解約申請時に解約日を月末指定できるサービスで、新ルーター到着後のタイミングに調整しましょう。
レンタル端末の場合、解約後に端末の返却が必要です。返却物は端末本体だけでなく、ACアダプター・LANケーブル・SIMカード・取扱説明書まで含まれる場合があります。返却期限は解約月の翌月末までが多く、期限を過ぎると追加費用が発生することがあります。
注意点とよくある失敗
手順を正しく踏んでも、最後のひと押しで損をするパターンが2つあります。
キャッシュバックは、開通から6〜12か月後に申請手続きをする方式がほとんどです。期限を1日でも過ぎると原則として復活しません。
対策は契約と同時に、申請可能になる時期をカレンダーに登録しておくことです。事業者からの案内メールは普段使わないアドレスに届くケースが多いため、自分でリマインダーを設定しておくのが確実です。
もう1つは解約の順番です。旧回線を先に解約すると、新しい端末が届くまでの数日間ネットが使えなくなります。
「重複料金を払いたくない」という気持ちで先に解約するケースが多いのですが、リモートワークや動画視聴に支障が出ることになります。新ルーターの動作確認を済ませてから旧回線を解約する順番を守りましょう。
まとめ
ホームルーターの乗り換えで費用を抑えるには、旧回線側の残り費用を先に把握することが出発点です。違約金は以前より小さくなりましたが、端末残債は3〜7万円前後になることもあり、更新月かキャンペーン活用かの判断が損益を左右します。
乗り換え先はセット割・実質月額・実測速度の3軸で絞り込み、新ルーターの動作確認後に旧回線を解約する順番を守れば、ネットが途切れるリスクも最小化できます。開通後はキャッシュバック申請期限をカレンダーに登録しておくことで、受け取り忘れも防げます。
参考文献
- 総務省「携帯電話ポータルサイト みなさまの疑問を解決!(違約金など、解約時に費用が発生するの?)」 https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/keitai_portal/gimonkaiketsu.html