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オール電化におすすめの電力会社とは?電力会社と新電力のオール電化向けプランを比較

「オール電化」とは、調理や給油、冷暖房などの住宅設備の熱源が電気になっている住宅のことを指します。
オール電化住宅は、従来はガスでまかなっていた設備もすべて電気を熱源としているため、通常の住宅よりも消費電力が多く電気料金も高くなりがちです。
そのため、オール電化住宅に住むなら、夜間料金が安くなるオール電化向けプランがおすすめです。
料金が安い夜間に蓄電や蓄熱をしておけば、オール電化でも電気料金を抑えやすくなります。
現在オール電化で新しいプランの検討をしている人や、これからオール電化に引っ越しをする人などにおすすめの新電力会社を紹介しています。
目次
電力会社のオール電化向けのプランとは?

多くの電力会社では、昼と夜の料金設定が異なるオール電化住宅向けのプランを提供しています。
オール電化向けプランの特徴は、夜間や休日の電気料金が通常プランよりも安いことです。
オール電化住宅では、給湯器や冷暖房、コンロなどの設備はすべて電力をエネルギーにして利用します。
そのため、電力会社の通常プランを選ぶと、電気代が通常の住宅よりも多くかかる可能性が高いです。
夜間料金が安いオール電化向けプランを選べば、夜のうちに1日に必要なお湯を温めたり暖房に熱を貯めておくことで電気代を抑えることも可能です。
何が違う?オール電化プランと一般的なプランを比較
オール電化プランと一般なプランのメリットとデメリットは次の通りです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
オール電化向けプラン | 夜間や休日の料金設定が安い 夜間に電力消費のピークを設定しておけば電気代を節約しやすい |
昼間の料金設定が高い 電力会社によっては提供されていない |
一般的な従量電灯プラン | 1日中料金が変わらない 選べる電力会社の選択肢が多い |
オール電化住宅だと電気代が高くなりがち |
オール電化向けプランは、夜間や休日の電気料金の設定が安いことが特徴です。
蓄電池や蓄熱暖房機などを設置しているオール電化住宅であれば、夜間の料金が安い時間帯にそれらを起動しておくことで電気料金を節約できます。
1kWhあたりの料金の違い
ここでは、オール電化向けプランと一般の電気料金プランの料金の違いを、東京電力の関東エリア向けプランを例にして解説します。
プラン名(関東エリア向け) | 1kWhあたりの料金(税込) |
---|---|
スマートライフプラン | 25:00~6:00 17.78円 6:00~25:00 25.80円 |
スタンダードS | ~120kWh 19.88円 121kWh~300kWh 26.46円 301kWh~ 30.57円 |
※こちらで紹介した商品やサービスの価格は、編集部が独自に調査したものです。
東京電力の標準プランのスタンダードSは、利用する時間帯ではなく使用するkWhに応じて単価が変わります。
オール電化プランは、25:00~6:00と6:00~25:00の2種類の時間帯で料金が変わります。
25:00~6:00は1kWhあたりの料金が17.78円(税込)なので、スタンダードSの~120kWhの単価の19.88円(税込)と比べると割安です。
オール電化向けプランのあるおすすめ新電力会社
ここでは、オール電化向けプランのあるおすすめの新電力5社を紹介します。
出光昭和シェル

出光昭和シェルは、ガソリンスタンドをはじめとする石油事業をメインにしている企業の新電力です。沖縄以外のエリアに対応しています。
出光昭和シェルの特徴は以下の通りです。
- 大手電力会社の新オール電化向けプランよりも割安
- カーオプションを追加すれば出光昭和シェルでのガソリン代が100Lまで2円/L割引
- 電気自動車の場合のカーオプションは月額料金が200円割引
- 全国の幅広いエリアに対応
J:COM電力

J:COM電力は、携帯電話やネット、ケーブルテレビサービスなどを幅広く扱っているJ:COMが提供している新電力です。
関東や関西をはじめとする全7エリアでサービス展開しています。
J:COM電力の特徴は以下の通りです。
- 関東や関西、九州の一部エリアをメインにサービスを提供
- 大手電力会社の新オール電化向けプランよりも時間帯別に0.5~3%安い料金設定
- ネットやケーブルテレビ、携帯電話などの他のサービスとあわせて契約するとセット割引が受けられる
HTBエナジー

HTBエナジーは、国内大手旅行会社であるHIS傘下の新電力です。
東京や関西、中部を含めた7つのエリアで「ぜんぶでんき」というオール電化向けプランを提供しています。
HTBエナジーの特徴は以下の通りです。
- 各大手電力会社のプランの昼間料金から5~15%引きの料金設定
- 東北、東京、中部、関西、中国、四国、九州エリアで提供
- 中国エリアなら、夜間料金も中国電力のプランよりも5%引きの料金設定
CDエナジーダイレクト

CDエナジーダイレクトは、東京都や神奈川県をはじめとする東京電力供給区域内を対象エリアとした新電力です。
オール電化住宅向けに「スマートでんき」というプランを提供しています。
CDエナジーダイレクトの特徴は以下の通りです。
- 東京電力のスマートライフS、Lに対応
- 電気料金100円につきカテエネポイント1ポイントが還元され、提携先のポイントとして使える
- 会員サービスの「カテエネ」に登録すれば、使用電気量を「見える化」というグラフで確認できる
イデックスでんき

イデックスでんきは、九州エリアでサービス展開している新電力です。
オール電化向けのプランはないものの、夜間の電気使用量が多い家庭にお得な「夜トクプラン」があります。
イデックスでんきの特徴は以下の通りです。
- 22:00~8:00の夜間料金は一年中12.80円(税込)/kWh
- 九州電力のオール電化向けプランよりも基本料金と1kWh当たりの料金設定が割安
- ペーパーレス割引やイデックスクラブカード決済割引などの割引特典の対象になる
Looopでんき

※Looopでんきは2022年4月1日より新規受付停止を停止します。
Looopでんきは基本料金が0円で、電力を使った分だけ支払う料金形態です。
オール電化向けにスマートタイムプランが用意されており、春と秋の昼間の料金単価が1kWhあたり10円安くなります。
また夜間の料金単価も安く設定されているため、月額料金を抑えて使うことが可能です。
- 基本料金0円
- 春・秋の昼間の料金単価が10円/kWhお得
- 夜間の料金単価が7円/kWhお得
オール電化向けプランのあるおすすめ大手電力会社
大手電力会社では、オール電化向けプランをそれぞれ提供しています。
同じ電力会社でもプランによって割安になる夜間時間帯が異なるため、いくつか比較してプランを選ぶのがよいでしょう。
大手電力会社のオール電化向けプランの詳細は次の通りです。
電力会社 | プラン名 | 内容・1kWh当たりの電気料金(税込) |
---|---|---|
東京電力 | スマートライフプラン | 25:00~6:00 17.78円 6:00~25:00 25.80円 |
東京電力 | 夜トクプラン8 夜トクプラン12 |
7:00~23:00 32.74円 23:00~7:00 21.16円 9:00~21:00 34.39円 21:00~9:00 22.97円 |
関西電力 | はぴeタイムR | デイタイム(10:00~17:00) 26.33円(夏季のみ28.96円) リビングタイム(平日7:00~10:00および17:00~23:00、休日7:00~23:00) 22.89円 ナイトタイム(23:00~7:00) 15.20円 |
関西電力 | eスマート10 | デイタイム(夏季のみ13:00~16:00) 38.62円 通常リビングタイム(8:00~22:00) 27.45円 夏季リビングタイム(8:00~13:00および16:00~22:00) 30.20円 ナイトタイム(22:00~8:00) 15.36円 |
中部電力 | スマートライフプラン | デイタイム(平日のみ10:00~17:00) 38.71円 @ホームタイム(8:00~10:00および17:00~22:00、土日祝日のみ8:00~22:00) 28.52円 ナイトタイム(22:00~8:00) 16.30円 |
中部電力 | スマートライフプラン(夜とく) | デイタイム(平日のみ10:00~17:00) 38.71円 @ホームタイム(7:00~10:00および17:00~21:00、土日祝日のみ7:00~21:00) 28.52円 ナイトタイム(21:00~7:00) 16.30円 |
中部電力 | スマートライフプラン(朝とく) | デイタイム(平日のみ10:00~17:00) 38.71円 @ホームタイム(9:00~10:00および17:00~23:00、土日祝日のみ9:00~23:00) 28.52円 ナイトタイム(23:00~9:00) 16.30円 |
東北電力 | よりそう+シーズン&タイム | 冬季ピーク(12/1~2/28の16:00~18:00) 43.14円 夏季ピーク(7/1~9/30の10:00~17:00) 43.14円 その他季ピーク(3/1~6/30および10/1~11/30の10:00~17:00) 39.22円 オフピーク(各ピーク時間以外の8:00~22:00) 26.73円 夜間(各ピーク時間およびオフピーク以外の時間) 11.43円 |
東北電力 | よりそう+ナイト8 | 昼間(7:00~23:00) 最初の90kWhまで22.09円、90kWh~230kWhまで30.13円、230kWh以上34.83円 夜間(23:00~7:00) 11.12円 |
東北電力 | よりそう+ナイト10 | 昼間(8:00~22:00) 最初の80kWhまで24.00円、80kWh~200kWhまで32.75円、200kWh以上37.85円 夜間(22:00~8:00) 11.43円 |
東北電力 | よりそう+ナイト12 | 昼間(9:00~21:00) 最初の70kWhまで26.43円、70kWh~170kWhまで36.06円、170kWh以上41.68円 夜間(21:00~9:00) 11.92円 |
東北電力 | よりそう+ナイトS | 昼間(8:00~22:00) 200kWh以上40.02円(200kWh以下は基本料金に含まれる) 夜間(22:00~8:00) 11.43円 |
東北電力 | よりそう+ナイト&ホリデー | 平日昼間(8:00~22:00) 最初の60kWhまで24.02円、60kWh~140kWhまで32.78円、140kWh以上39.34円 平日夜間(22:00~8:00) 15.88円 休日(土日祝日および年末年始) 15.88円 |
東北電力 | よりそう+サマーセーブ | ピーク(夏季のみ13:00~16:00) 54.82円 昼間(7:00~23:00、夏季のみ7:00~13:00および16:00~23:00) 最初の90kWhまで20.10円、90kWh~230kWhまで27.41円、230kWh以上37.39円 夜間(23:00~7:00)11.12円 |
九州電力 | 電化でナイト・セレクト21 | 平日昼間(7:00~21:00) 夏冬26.84円、春秋23.95円 休日昼間(7:00~21:00) 夏冬21.22円、春秋17.82円 夜間(21:00~7:00) 13.21円 |
九州電力 | 電化でナイト・セレクト22 | 平日昼間(8:00~22:00) 夏冬26.84円、春秋23.95円 休日昼間(8:00~22:00) 夏冬21.22円、春秋17.82円 夜間(22:00~8:00) 13.21円 |
九州電力 | 電化でナイト・セレクト23 | 平日昼間(9:00~23:00) 夏冬26.84円、春秋23.95円 休日昼間(9:00~23:00) 夏冬21.22円、春秋17.82円 夜間(23:00~9:00) 13.21円 |
北海道電力(ほくでん) | eタイム3プラス | 午後時間(13:00~18:00) 40.67円 朝晩時間(8:00~13:00および18:00~22:00) 30.90円 夜間時間(22:00~8:00) 14.63円 |
中国電力(EnerGia) | ぐっとずっと。プランナイトホリデーコース | デイタイム(平日9:00~21:00) 37.21円 夏季デイタイム(7/1~9/30の平日9:00~21:00) 40.96円 ナイトタイム(平日24:00~9:00および21:00~24:00) 18.21円 ホリデータイム(土日祝日および年末年始) 18.21円 |
中国電力(EnerGia) | ぐっとずっと。プラン電化Styleコース | デイタイム(平日9:00~21:00) 30.62円 夏季デイタイム(7/1~9/30の平日9:00~21:00) 32.68円 ナイトタイム(平日24:00~9:00および21:00~24:00) 14.87円 ホリデータイム(土日祝日および年末年始) 14.87円 |
四国電力(よんでん) | でんかeプラン | 平日昼間(9:00~23:00) 70kWh以上32.49円(70kWh以下は基本料金に含まれる) 夜間・休日(平日23:00~9:00および休日終日) 240kWh以上21.64円(240kWh以下は基本料金に含まれる) |
四国電力(よんでん) | でんかeマンションプラン | 平日昼間(9:00~23:00) 34.97円 夜間・休日(平日23:00~9:00および休日終日) 20.09円 |
北陸電力 | くつろぎナイト12 | 昼間時間(平日8:00~20:00) 34.94円 夏季昼間時間(7/1~9/30の平日8:00~20:00) 25.06円 ウィークエンド時間(土日祝日8:00~20:00) 19.63円 夜間時間(20:00~8:00) 12.50円 |
沖縄電力 | Eeホームホリデー | 昼間時間(平日10:00~17:00) 35.88円 夏季昼間時間(7/1~9/30の平日10:00~17:00) 39.37円 生活時間(平日7:00~10:00および17:00~23:00、土日祝日7:00~23:00) 27.20円 夜間時間(23:00~7:00) 11.18円 |
沖縄電力 | Eeホームフラット | 昼間時間(7:00~23:00) 29.15円 夜間時間(23:00~7:00) 11.18円 |
※こちらで紹介した商品やサービスの価格は、編集部が独自に調査したものです。
新電力はオール電化の人にもおすすめできる?

2016年の電力自由化により、大手電力会社10社以外の会社も「新電力」として電力の小売りを始めました。
ここでは、そもそも新電力とはどういうものなのか、新電力に変えることで電気代の節約になるのかを説明します。
新電力とは?
「新電力」とは、2016年の電力自由化以降、一般家庭向けに電力の小売りを始めた大手電力会社以外の電力会社のことを指します。
2016年の電力自由化により、大手電力会社10社以外の会社も一般家庭向けに電力の小売りができるようになりました。
現在では、ガスや石油などのエネルギー企業や家電量販店、通信会社などの幅広い業種が新電力として電力業界に参入しています。
新電力の特徴は、独自のセット割引や料金プランを提供していることです。
たとえば、携帯電話会社が親会社の「ソフトバンクでんき」では、ソフトバンクでんきとソフトバンクのスマホをあわせて契約すれば、スマホやタブレットの月額利用料が割引されます。
新電力で本当に電気代は安くなる?
大手電力会社から新電力に切り替えることで電気代が安くなるかどうかは、現在の電気の利用状況や選ぶ新電力のプランによって異なります。
大手電力会社のオール電化向けプランを現在利用している場合は、新電力でもオール電化向けプランを選ばないと割高になる可能性が高いです。
なぜなら、大手電力会社が以前提供していた原子力発電をベースにした旧オール電化向けプランは、現在提供されているプランや新電力のプランよりも割安だからです。
そのため、新電力への切り替えを検討している場合は、料金シミュレーションを使って、現在の料金プランと新電力のプランを比較しましょう。
多くの電力会社や新電力では、公式サイト内の料金シミュレーションで今の電力会社からどのくらいお得になるのか確認することができます。
最近オール電化を導入した人やこれから導入を考えている人は、新電力のオール電化向けプランを検討してみるとよいでしょう。
ただし、夜間に料金が安くなるプランを提供している新電力でも、オール電化の人は対象外としている場合があるので、オール電化の人でも申し込めるかをあわせて確認しましょう。
オール電化向けプランはプラン内容を比較して選ぼう

オール電化向けプランは通常プランよりも夜間料金が割安なため、夜の時間帯に蓄電や蓄熱をしておくことで、オール電化住宅でも電気料金を節約しやすいです。
2016年の電力自由化により、現在では大手電力会社だけでなく一部の新電力でもオール電化向けプランを提供しています。
オール電化向けプランは、提供している電力会社や選ぶプランによって割安になる時間帯や料金設定が異なります。
そのため、プラン内容や料金設定などを比較しながら、自分のライフスタイルに合ったオール電化向けプランを選びましょう。
公開日時 : 2022年03月05日

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