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インターネットバンキングとは?概要・メリット・デメリットを紹介


現在では様々な銀行でインターネットバンキングが利用できます。インターネットバンキング専用の特典が用意されるなど、銀行側も力を入れているサービスです。
インターネットバンキングならではの利点もあり、うまく活用すればお金を貯めやすくなったり、スキマ時間に取引をすませられます。
この記事では利用する上でのメリットやデメリット、サービス内容や特徴について詳しく解説していきます。
目次
インターネットバンキングとは

インターネットバンキングとは、インターネット上で銀行との取引が行えるサービスのことです。オンラインバンキングとも呼ばれ、パソコンやスマホからでも利用できます。
銀行によって多少違いはあるものの、次のようなサービスが利用可能です。
- 残高照会
- 入出金明細の照会
- 振り込み
- 定期預金
- 外貨預金
- 投資信託
- カードローン
- 住宅ローン
- 宝くじの購入や結果確認
これらのサービスをスマホやパソコン1つですませられるメリットがあり、ほかにもインターネットバンキングならではの利点があります。
一方でインターネットを経由するために、銀行を直接利用する場合とは違った問題点もあり注意が必要です。この記事でインターネットバンキングのメリットとデメリット、活用の仕方や注意点について解説します。
インターネットバンキングのメリット
インターネットバンキングには金銭面や時短、不正利用への対策などに繋げられるメリットがあります。意識する必要のないものから、意識して活用しなければならないものまで様々です。
この記事で具体的にどういったメリットがあるのか、そのメリットを活用するためのポイントは何かについて解説します。
手数料が安い
インターネットバンキングを利用すると、窓口やATMを利用するよりも手数料が安くなります。たとえば、みずほ銀行の場合だと手数料は以下の表の通りです。
振込先 | インターネット バンキング |
ATM キャッシュカード |
ATM 現金 |
窓口 |
---|---|---|---|---|
本支店宛: 3万円未満 |
110円 | 220円 | 220円 | 440円 |
本支店宛: 3万円以上 |
220円 | 220円 | 440円 | 660円 |
他行宛: 3万円未満 |
220円 | 330円 | 440円 | 770円 |
他行宛: 3万円以上 |
440円 | 440円 | 660円 | 990円 |
また条件を満たすことでインターネットバンキングでの振り込み手数料が無料になる場合もあります。
条件には「預金残高が月末で指定額以上」「給与の受取先にしている」「指定されたクレジットカードやデビットカードを毎月使用している」など複数あります。
利用している金融機関によって条件が違うので、あらかじめ確認しておくといいでしょう。インターネットバンキングを利用して手数料を賢く節約していきましょう。
高めの預金金利
ネット銀行の預金金利は、通常の銀行よりも高めに設定されている場合が多いです。以下の表でネット銀行2行(あおぞら銀行BANK支店と楽天銀行)と3大メガバンクを比較してみましょう。
銀行名 | 普通預金金利 | 定期預金金利 |
---|---|---|
あおぞら銀行BANK支店 | 年0.200% | 年0.150%~0.200% |
楽天銀行 | 年0.020%~0.100% | 年0.020% |
三菱UFJ銀行 | 年0.001% | 年0.002% |
三井住友銀行 | 年0.001% | 年0.002% |
みずほ銀行 | 年0.001% | 年0.002% |
普通預金金利は、ネット銀行の方が3大メガバンクよりも20倍から200倍に設定されています。定期預金金利の場合でも10倍から100倍と高めな設定です。
さほど取引をしない人でも、ネット銀行の方に預けておくと金利面でお得です。
時間が節約できる
わざわざ銀行やATMに行ったり並んだりしなくていいため、時間の節約につながります。家にいる時でも外出時でも、パソコンやスマホから残高や入出金明細の照会、振り込みなどのサービスを利用できて便利です。
サービスを受ける回数が増えれば増えるほど、時間の節約の差は大きくなっていきます。
とくに振り込みは利用先が増えれば増えるほど、直接行く場合とインターネットバンキングを利用する場合で時間に差がでやすいといえます。
指定されている支払期日も利用先によって違うため、まとめて支払いというわけにもいきません。インターネットバンキングであれば振込先が数件あっても数分で手続きが完了します。
銀行やATMを利用する場合、大抵は銀行に行く時間だけでも数分以上はかかりますが、インターネットバンキングを利用するとその場ですぐに手続きが可能です。
ほとんどのインターネットバンキングでは、よく利用する振込み先は登録ができ、Pay-easyなどにも対応しているため、こられの支払いが多い人にはとくにおすすめです。
記帳の必要がない
通帳が存在する銀行口座の場合、過去の取引を確認するためには定期的な通帳記入が必要です。しかしインターネットバンキングの場合、残高や取引履歴がネット上で確認できるため通帳記入の必要がありません。
また通帳記入の場合、確認できる取引内容は当然ながら記帳した当日までに更新された分までです。インターネットバンキングであれば、基本的には照会時点での最新情報を確認できます。
記帳せずとも最新の取引内容を確認したい場合、インターネットバンキングがおすすめです。
セキュリティ対策が万全
インターネット上で手続きが行われるため、インターネットバンキングではセキュリティ対策を万全にしています。
たとえば顧客自身が持っている専用のカードやスマホがないと、仕組み上ログインや振り込みができません。
ログインや支払いの際には二段階認証を徹底しており、専用カードに書かれてある数字やショートメールに送られる数字を送信して本人からの手続きであるかを確認します。
また多くのネット銀行は不正使用保険に加入しています。これによって万が一不正利用があったとしても、銀行側が被害を補償できるようにしています。
取引記録がメールで届く
口座へのログインが確認された場合や取引が行われた場合、顧客が登録したメールアドレスに通知メールが届きます。不正ログインや不正取引があったとしても通知メールを見て気づくことが可能です。
事前に登録してこまめに確認していれば、万が一身に覚えのない支払いがあったとしてすぐに気づけます。もちろん、気づいた時点で銀行側に確認をとりましょう。
通知メールサービスは不正利用に対する自己防衛手段でもあるため、うまく活用していくといいです。
インターネットバンキングのデメリット

インターネットバンキングのデメリットにはネットシステム特有のものや口座の設定に関するものがあります。この記事にてそれぞれの内容と個人でもできる対策法について解説します。
IDとパスワードを覚えておかないといけない
インターネットバンキングではセキュリティのためにIDとパスワードが必要です。どちらか片方だけでも忘れてしまうと取引ができません。
もし忘れてしまった場合は、再設定したりインターネットバンキング専用のカードを再発行したりする必要があります。
上記のような手間を防ぐためにも、IDやパスワードの管理はしっかり行いましょう。自分にしか分からないようにメモするか、他人には見られないところにメモしておくとよいでしょう。
ただしこのメモを落としてしまったり、なんらかの形で他人に知られてしまった場合は不正使用に繋がる可能性があるので取り扱いには十分注意しましょう。
引落口座に設定できない場合がある
ネット銀行には公共料金や税金の引き落とし口座として設定できない場合や、一部にしか対応していない場合があります。
そういったときは引き落とし専用に別の銀行口座を用意するとよいでしょう。またはコンビニ支払いや引き落とし可能なクレジットカード払いを利用するでも構いません。
利用するネット銀行が引き落とし口座に設定できるかどうか、あらかじめ確認しておきましょう。
システムメンテナンス中は利用不可
ネットシステムで運営している以上、度々システムメンテナンスが行われます。システムメンテナンス中は取引はおろかインターネットバンキングそのものの使用ができません。
ただし、大抵は利用者への影響が少ない深夜帯に行われるのでそれほど心配する必要はありません。
またシステムメンテナンス時間は、多くの場合事前に告知されるので開始時間と終了時間を把握しておくようにしましょう。
サイバー犯罪のリスクがある
インターネットを利用した取引であるため、常にサイバー犯罪のリスクが伴います。しかし利用する端末や設定するパスワード、メールへの対応によってそのリスクを抑えることが可能です。
どれも個人でできる対処法なので、以下の内容を参考にしてしっかり対策していきましょう。
端末を決めて利用する
インターネットバンキングの利用には、自分のスマホや自宅PCなど使用する端末を決めておきます。ネットカフェやマンガ喫茶など不特定多数の人が使うようなパソコンでは絶対に利用しないようにしましょう。
ログアウトや電源を消し忘れていたのを他人に見られたり、履歴をたどって不正ログインする人が現れる危険性があります。
また家族とパソコンを共有している人は、家族別にユーザーを分けておくと間違いやいたずらを防げるためおすすめです。
自分にしか使えない環境に整えたうえでインターネットバンキングを利用しましょう。
パスワードの使い回しはやめる
インターネットバンキングに限らずパスワードの使いまわしはやめましょう。万が一使いまわしているパスワードが漏れてしまった場合、ネットバンキングのパスワードまで筒抜けになってしまいます。
覚えておくのが大変ですが、インターネットバンキング専用のパスワードを用意しておきましょう。
またパスワードは、できる限り大文字や小文字、数字や記号などを組み合わせた複雑なものにしておくとセキュリティの安全性が高まります。
セキュリティの安全性を高めた専用パスワードを用意し、安心してインターネットバンキングを利用できるようにしましょう。
メールのリンク先は使わない
一見ネット銀行から届いたように見えるメールであっても、リンク先をクリックするのはやめましょう。そのメールが銀行を装った不正メールである危険性があるからです。
指示通りに入力していたら、詐欺相手に口座番号や暗証番号といった情報を送ってしまっていたという事態もありえます。
自分でネット銀行からメールが届くように手続きした場合を除いて、必ず公式サイトのトップページからアクセスするようにしましょう。
どうしてもメールの内容が気になるときは、公式サイトやコールセンターに問い合わせて確認するといいです。
インターネットバンキングの種類
インターネットバンキングには大きく分けて3種類あり、特徴や利用方法に違いがあります。
この記事では3種類の大まかな特徴と、どの銀行が3種類のうちどれにあてはまるのか、銀行ごとにインターネットバンキングを利用した場合の特徴についてそれぞれ解説します。
インターネット専用の銀行
インターネット専用の銀行とは、実店舗のないインターネットでの取引が可能な銀行のことです。ジャパンネット銀行、楽天銀行、ローソン銀行や住信SBIネット銀行などがあてはまります。
店舗がないためコストが抑えられており、他の銀行と比べて預金金利が高く振込手数料が安いなどという点が特長的です。この記事で代表的なインターネット専用の銀行2行について解説します。
楽天銀行
楽天銀行は、利用できるATMが多い点と楽天スーパーポイントが貯まるうえに使える点がメリットです。楽天銀行との取引に使えるATMには以下の場所があてはまります。
- セブン銀行
- イオン銀行
- ステーションATM PatSat
- みずほ銀行
- 三菱UFJ銀行
- ゆうちょ銀行
- コンビニATM E-net (ファミリーマートやポプラなど)
- ローソン
コンビニATMも使えるため、24時間365日好きなタイミングで入出金などのサービスが利用可能です。
また楽天スーパーポイントに関して、給与の受け取りや振り込み、口座振替といったサービスを利用するだけでも貯まります。
貯まったポイントは振込手数料、楽天銀行デビットカードの支払いなどのサービスに使えて便利です。
いつでも好きなタイミングでATMを利用したい人や、楽天スーパーポイントを貯めたい人は楽天銀行の利用を検討しましょう。
ジャパンネット銀行
ジャパンネット銀行には、簡単なコツでATM手数料が何度でも無料、PayPayマネーの出金が無料という特長があります。
ジャパンネット銀行の場合、取引金額が3万円以上であればいつでもATM手数料が無料です。また毎月、最初の出金と入金それぞれでの利用では、金額に関わらずATM手数料がかかりません。
PayPayマネーに関して、多くの金融機関では出金手数料が100円かかるところ、ジャパンネット銀行の場合は無料です。
PayPayにチャージし過ぎたから口座に戻したいときでも出金手数料を気にしなくてすみます。
ジャパンネット銀行はATMの利用頻度が高くとも手数料を抑えたい人や、PayPayにまとまった額をチャージしておいて必要なくなったら出金したい人におすすめです。
都市銀行やゆうちょ銀行などの通常の銀行
都市銀行やゆうちょ銀行などでもインターネットバンキングを利用できます。ゆうちょダイレクト、みずほダイレクト、三菱ufjダイレクトなどという呼び方の方がピンとくるかもしれません。
通常の銀行でインターネットバンキングを利用するためには申込が必要です。申し込みが完了すれば、窓口やATMでの取引に加えてインターネットバンキングも利用できます。
この記事でインターネットバンキングを取り扱っている通常の銀行の内、2行を解説しているので参考にしてみてください。
みずほ銀行
みずほ銀行には、みずほマイレージクラブという年会費無料のサービスがあり、取引状況に応じて3段階に分けられた特典を受けられます。具体的な特典内容は以下の表の通りです。
特典内容 | Bステージ | Aステージ | Sステージ |
---|---|---|---|
みずほ銀行/イオン銀行ATM 時間外手数料 |
0円 | 0円 | 0円 |
イーネットATM 時間外手数料・利用手数料 |
月に1回まで 0円 |
月に2回まで 0円 |
月に3回まで 0円 |
みずほダイレクトご利用時の みずほ銀行本支店宛振込手数料 |
0円 | 0円 | 0円 |
みずほダイレクトご利用時の 他行宛振込手数料 |
– | – | 月に3回まで0円 |
キャッシュカード新規発行手数料 | 0円 | 0円 | 0円 |
たとえばBステージであれば預金残高が月末時点で合計30万円以上の人、Aステージであれば給与の受取口座にみずほ銀行を指定している人、というように各ステージを満たすための条件がいくつか用意されています。
お金のかからないものや簡単な取引で済むものなども用意されているので、普段からみずほ銀行を利用している方は、みずほダイレクトもあわせて利用するといいです。
ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行は振り替えや振り込みサービスの利便性が高いのが特長的です。
ゆうちょダイレクトの電信振替を利用した場合、ゆうちょ銀行口座宛であれば手続きがすんだ瞬間に入金します。15時を過ぎていても翌日扱いにはなりません。
同様に送金先口座でもゆうちょダイレクトを利用していれば、送金先でも入金された時点ですぐに確認できます。
ほかにも、Pay-easyマークのある払込書などを、ゆうちょダイレクト経由でいつでも好きなタイミングで支払いできます。コンビニや窓口に支払いに行く必要がありません。
夜の利用でも当日入金の支払いを間に合わせたい人や、振込書の支払いもスマホですませたい人にゆうちょダイレクトはおすすめです。
通常の銀行のネット支店
銀行の中には、インターネット取引専用の実店舗を持たない支店を設けているところがあります。こういった支店を利用して口座開設をしても、インターネットバンキングが利用可能です。
口座開設やローンの申し込みなど取引の大部分がインターネット上で完結するため、全国どこからであっても問題ありません。現金の入出時のみATMを利用しましょう。
以降でネット支店を持つ銀行の中から2行を抜粋して解説していきます。
あおぞら銀行 BANK支店
普通預金金利が高く、デビットカードを利用した自動積立サービスを使えることが魅力です。
普通預金金利は、メガバンクであれば年0.001%のところをあおぞら銀行 BANK支店では年0.200%に設定されています。少しでも金利の高い銀行に預けておきたい人にはおすすめです。
ほかにも、BANK™ The SavingsというBANKアプリ限定の貯蓄預金サービスがあります。これはVisaデビット機能つきキャッシュカードで買い物をすると、利用額の一定割合を自動的に貯蓄するサービスです。
すこしでもお金を貯めたいという人は、あおぞら銀行 BANK支店の利用もおすすめです。
スルガ銀行 インターネット支店
スルガ銀行では様々な種類のインターネット支店を用意しており、各支店で違った特典が受けられます。
たとえばANA支店であれば、専用カードの利用で銀行との取引でもマイルが貯まったり、世界各地のVisa加盟店でショッピングを楽しむといったことが可能です。
Tポイント支店の場合、Tポイント一体型の専用カードで支払えばダブルでポイントがもらえる特典があります。
ほかにも、女性へのサービスに特化したソネット支店や、ジャンボ宝くじつき定期預金の機能があるドリームダイレクト支店などよりどりみどりです。
それぞれの支店で違った特典を複数用意してあるので、ぜひ自分にぴったりな支店を探してみてください。
インターネットバンキングを上手に使いこなそう

インターネットバンキングは、「振込手数料が安い」「預金金利が高め」「時間や場所を気にせず短時間で取引できる」などのメリットがあります。
基本的には自分が今利用しているメインバンクや、振込先としてお金を預けている銀行のインターネットバンキングがおすすめです。
インターネット専用銀行、通常の銀行、ネット支店かにもよりサービス内容や特長に違いがあります。
これから新たに口座を作りインターネットバンキングを利用したいと考えているときは、この記事を参考に選び出してインターネットバンキングの開設先を探してください。
公開日時 : 2020年09月22日

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