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フリースポットWi-Fiの安全性を確保|リスクを回避する5つの対策方法

通信量を節約したいときや、容量が大きいアプリや動画をダウンロードする際に便利な「フリーWiFi」を日頃何気なく使っている方も多いのではないでしょうか。
実はフリーWiFiは必ずしも安全とは限らず、ときにクレジットカードやSNSの個人情報を盗まれたり、アカウントを乗っ取られたりする恐れがあります。
フリーWiFiを安全に使うために対策をしておきましょう。
ここではフリーWiFiを安全に使うために、最低でもやっておきたい5つの対策を解説します。
目次
フリーWiFiとは

フリーWiFiの安全性について知る前に、まずはフリーWiFiとはどのような仕組みなのか、基本的な部分を知っていきましょう。
誰でも無料のWiFi通信ができるサービス
フリーWiFiとは、飲食店や交通機関などに設置された「WiFiに対応したスマホを持っていれば無料で誰でも利用できるWiFi通信ができるサービス」のことです。
スマホの場合、環境によってはモバイル通信よりもサクサク使えることがあります。
また大きなデータをダウンロードしたり、映画のように長時間の動画を観たりするときにも、WiFiへ接続している間はスマホのパケット通信を消費しません。
そもそもWiFiとは、厳密には無線LANという通信方法の規格の1つです。スマホだけでなくノートパソコンや携帯ゲーム機など、WiFiを受信できる多くの端末を一度にネットへ接続できます。
複数の端末で高速の通信ができパケットの節約もできるという、一石二鳥も三鳥もお得なサービスです。
フリーWiFiが設置されている理由
フリーWiFiが広く設置されるようになった理由は「集客」と「サービス」の両方を低コストで実現できるからです。
たとえばお店や宿泊先のホテルを選ぶときに「無料WiFiあり」という文字を見ると、なんとなくそちらを選びたくなった経験はありませんか。
実際、お店やホテルにフリーWiFiが設置されていれば、注文した商品を待つ間やホテルにいる間にフリーWiFiを利用して暇つぶしや情報収集ができます。
提供するお店側が設置時に負担するのは、インターネット回線や多くの人が接続できるWiFi設備だけで、利用者がたくさん使ってもその分費用が発生するわけではありません。
集客もできてコストも安く、すぐにネットが使えるので、多くの人に喜んでもらえるサービスですね。
フリースポットWiFiのセキュリティは安全?
様々な場所で利用できるフリーWiFiですが、そのセキュリティは「基本的に安全ではない」と認識しておくことが大切です。
会社や自宅などに設置するWiFiとは違い、誰でも簡単にアクセスできるようにするため、本来なら守られているはずの情報もむき出しになってしまうからです。
フリースポットWiFiを通して個人情報を悪用される可能性あり
自宅や会社にWiFiがある人や、外出先でWiFiへ接続しようとしたときに「パスワード」の入力を求められたことはありませんか。
パスワードは簡単に言えば「家の玄関の鍵」であり、基本的に限られた人しか知らないため、安全性が高いWiFiといえます。
一方で、決まったパスワードがあってもそれを公開していたり、そもそもパスワードがないフリーWiFiは、誰でも自由に利用できます。
そのメリットを逆手にとって、フリーWiFiを利用している人の閲覧しているサイトの内容やメール、SNSなどを第三者が盗み見することも可能です。
たとえばSNSやクレジットカード決済の情報を第三者が盗み見ることで、SNSアカウントのなりすましやクレジットカードの不正利用につながる恐れがあります。
また接続している相手へ悪質なウイルスが入ったメールを送り付け、情報の抜き取りやアカウントの乗っ取りを行うこともできます。
このように誰でも自由に利用できるからこそ、フリーWiFiは悪用される危険があるのです。
フリースポットWiFiのフリをしているWiFiもある
フリーWiFiと似たような名前を設定しておき、情報を抜き取ることを目的にした「フリーWiFiのなりすまし」も存在します。
一見すると店舗や大手携帯電話会社などが提供しているフリーWiFiの名前と似ているため、見分けがつきにくく、誤って接続してしまう可能性があります。
接続すると盗聴や覗き見のほか、端末そのものを乗っ取られてしまう場合もあり、店舗内で提供されているフリーWiFiだからといってすべて安全とは限りません。
このように、フリーWiFiは対策をして安全性を確保しておかないと、利用時の危険性が高いWiFiと考えておくことが大切です。
フリースポットWiFiの安全性を確保する方法

ここまで解説してきたように、フリーWiFiは必ずしも安全性が確保されているわけではありません。フリーWiFiの安全性を確保するために、最低でもやっておきたい5つの対策を解説します。
提供元が不明のフリーWiFiにつながない
飲食店や公共交通機関、病院など、フリーWiFiの名前とパスワードを明確に公表している場所以外では、フリーWiFiに接続しないようにしてください。
提供元がわからないフリーWiFiの場合、安全性の高いフリーWiFiのなりすましをしている、悪意あるフリーWiFiの可能性があります。
こうしたフリーWiFiに接続しないように、基本的にWiFiは「自動接続設定」を「オフ」にしておくのがおすすめです。
機種によって設定方法に違いはありますが、一般的に次の操作で自動接続設定をオフにできます。
スマホの種類 | 操作 |
---|---|
iPhone(iOS) | 設定から「WiFi」を開き「自動接続をオフ」にする |
Android | 設定から「ネットワークとインターネット」を選び「WiFi」から「WiFiを自動的にオンにする」をオフにしておく |
また自動接続設定はWiFiごとに設定できるため、自宅など安全性の高いWiFiだけオンにしておき、外出先のWiFiはオフに切り替えておくのもおすすめです。
暗号化されたフリーWiFiにだけつなぐ
フリーWiFiが複数あるときは、安全性を確保する「暗号化キー」が設定されているフリーWiFiだけを選んでください。
暗号化されているフリーWiFiを選ぶことで、覗き見や盗聴を防ぎやすくなります。
暗号化されているかどうかは、接続できるWiFiの一覧画面で名前の欄に鍵マークがあるかどうかで確認できます。
またはそのWiFiの名前を長押ししたり、横にある歯車マークをタップしたりすると、選んだWiFiの詳しい情報に「WPA/WPA2-Personal」など、暗号化の認証方式が表示されます。
認証方式の種類はWEP、WPA、WPA2などがあり、中でも安全性が高いとされるWPA2方式で暗号化されたフリーWiFiを選ぶのがおすすめです。
安全性の高いフリーWiFi
外出時におすすめの安全性が高いフリーWiFiとして、ドコモやau、ソフトバンクといった大手キャリアが提供しているフリーWiFiが挙げられます。
特にドコモの提供するフリーWiFiは、dポイントクラブ会員になればドコモと契約していなくても利用でき、格安SIMを使っている人にもおすすめです。
それぞれのキャリアで提供しているフリーWiFiの利用条件や申し込み方法をまとめました。
ドコモ | au | ソフトバンク | |
---|---|---|---|
利用条件 | dポイントクラブ会員 | auと契約している端末、もしくは月額契約者のみ利用可能 | フラット型パケット定額サービス、シンプルスタイル加入者 |
無料で利用できる人 | dポイントクラブ会員ならだれでも無料 |
au契約端末 |
フラット型データ(パケット)定額サービス・プラン、シンプルスタイル利用者 |
月額料金を支払うと利用できる人 | ー |
Wi2 300 for auマルチデバイスサービスプラン加入者は月額330円(税込) |
その他のサービス・プラン利用者は月額513円(税込)(加入から2年間無料) |
申し込み方法 | dアカウントを発行後、ドコモオンライン手続きから申し込む ドコモのスマホなら「151」へ電話 |
au WiFi接続ツールアプリをダウンロードして接続をオン | ソフトバンクユーザーは自動接続 ワイモバイルユーザーは「一括設定」か「WiFiスポット設定」のアプリが必要 |
安全対策のポイント | アクセスポイントとスマホの間のセキュリティを保護するTLS通信、ユーザー認証技術あり | WPA2方式の暗号化対策、au WiFi接続ツールアプリの設定をすれば利用可能 | SSLによる暗号化、複数のセキュリティアプリの提供 |
閲覧するWebページのアドレスはhttps://
WebページのURLをチェックしてみると「http://」もしくは「https://」が先頭につき、後者の場合はURLの欄に鍵マークがついています。
この2つの違いはWebページを見るときの通信手段の設定によるもので、鍵マークがある場合は受信している人とサーバーの間の通信が「暗号化」されていることを意味します。
自分が送るデータや受け取るデータが封筒に入ったような状態でやり取りできるため、簡単に誰かが中身をチェックしたり、内容を改ざんできないようになっているのです。
詐欺サイトではないか見抜くポイントにもなるため、よく使うサイトに鍵マークがあるか、URLの先頭が「https://」になっているか、チェックしておくのもおすすめです。
フリーWiFiでパスワードの送受信は控える
フリーWiFi接続時は、パスワードの入力が求められるサイトを使わないようにしてください。
特に次のように、お金や住所など重要な情報に直接つながるようなサイトは、使わないことをおすすめします。
- ネットバンキング
- オンライントレード
- Amazonや楽天市場など通販サイト
セキュリティの高いフリーWiFiを選ぶといった対策を行っていても、フリーWiFiを悪用した盗み見などの被害を受けてしまう可能性はゼロではありません。
自分の情報を守るためにも、できるだけフリーWiFi接続時はこうしたサイトやアプリの利用は控えてください。
通信を暗号化するVPNを使う
フリーWiFiを使うとき、セキュリティ対策として「VPN(Virtual Private Network)」を利用することが挙げられます。
VPNとは通信時にプライベート空間をネット上に作り上げ、通信を暗号化して覗き見やデータの不正利用を防ぐ技術のことです。
セキュリティ対策のないフリーWiFiを使う際、完ぺきではありませんが安全性を高めてくれます。
以下に、安全性が高く広く使われている無料VPNサービスを3つ紹介します。
サービス名 | アプリのダウンロードの有無 | 特徴 | おすすめの人 |
---|---|---|---|
VPN Gate | 不要 | 筑波大学が実験のために提供しているVPNサービス、無制限で利用できる | 日本国内にサーバがあるサイトを使いたい人 |
Hotspit Shield | 必要 | 1日500MBまで利用可能、高い暗号化能力を持ち、処理速度も速い | YouTubeなど海外にサーバがあるサイトを見たい人 |
Windscribe | 必要 | 毎月10GBまで無料で利用可能、広告ブロック機能などセキュリティ重視 | 一時的にフリーWiFiを使いたい、安全性の高さを求める人 |
注意したいのは、無料で使えるVPNサービスの中には「悪質なVPNサービス」が紛れている可能性があることです。
重要なデータをやり取りする可能性もある方は、有料のVPNサービスを選ぶことをおすすめします。
フリースポットWiFiを使うなら安全性を確保しよう

手軽に使えるフリーWiFiは外出先で通信量を節約したいとき、とても便利な一方で危険性が潜んでいます。
提供元がわからないフリーWiFiを避け、セキュリティ対策が行われたものを選びましょう。
自分自身でもVPNの導入や「https://」のWebページだけ閲覧するなど、対策を行うことが重要です。
より安全性を高めたい、仕事やお金のやり取りも行いたい、という方にはモバイルWiFiルーターの利用がおすすめです。
自分の使い方に合わせて、セキュリティ対策をしっかり行ったうえで、WiFiを活用していきましょう。
公開日時 : 2023年03月24日

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