iPhoneの脱獄は違法?脱獄して出来ること・注意点を解説

iPhoneの「脱獄」という行為は、iPhoneのプログラムであるiOSを書き換えて制限を取り除く行為です。機能を増やし、便利に使える一方で、デメリットや危険性も多く持っています。日本では違法とされていませんが、リスクを踏まえた上で本当に行うべきか検討してください。
新型ihone12噂 iPhoneの脱獄は違法?脱獄して出来ること・注意点を解説

iPhoneの「脱獄」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。iPhoneユーザーの裏ワザとして、名称だけは知っているという人もいるかもしれません。

脱獄という言葉だけを見るとどこか悪いイメージも想起させますが、一体どのような行為なのでしょう。

今回は、そのような「脱獄」という行為について紹介します。

脱獄は便利なだけでなく、大きなリスクも伴う行為です。脱獄に興味があり、やってみようか迷っている人は、今回紹介するデメリットや危険性についてもよく確認してみてください。

iPhoneの脱獄(jewelbreak)とは

そもそも、iPhoneの脱獄とはどのような行為なのでしょうか。脱獄によって可能になる機能と一緒に解説します。

脱獄とは

脱獄とは英語でjewelbreakとも呼ばれ、AppleがiPhoneにかけている制限を取り除いて、通常では使用できない機能やアプリを使えるようにする行為です。

通常であれば、iPhoneがインストールして使えるのは、Appleが公認したアプリのみです。

しかし、脱獄ツールを使って脱獄を行うと、Apple非公認のアプリも使えるようになるのです。

iPhoneのOS(オペレーティングシステム)を改変することで、Appleの管理から外れてしまうため、脱獄という呼び方をします。

脱獄するとインストールされる「Cydia」というフォームは、「リンゴの青虫」を意味していて、Appleに対する挑発心をうかがわせます。

脱獄でできること

実際にiPhoneのOSを書き換え、脱獄すると、どのような機能が使えるようになるのでしょうか。

脱獄で可能になる動作は主に下記の通りです。

  • カメラのシャッター音を消す
  • iOSを消してandroidをインストールする
  • Apple非公認のアプリを入れる
  • 既読をつけずにLINEのメッセージを読む
  • アイコン、壁紙などホーム画面のデザインを自由にカスタマイズする
  • 広告の表示をブロックする
  • テザリング未契約のデバイスでテザリングを使う
  • SIMロックを解除、SIMフリーの端末にする
  • アプリを含むすべての画面をテレビに出力する
  • アプリにそれぞれパスワードを設定し鍵をかける

本来iPhoneにかけられている制限が外れるため、より自由に自分の端末を使えるようになります。

脱獄のメリットとデメリット

脱獄という行為はとても便利に見えますが、本当に自由になるだけなのでしょうか。そのデメリットや危険性もあわせて解説します。

脱獄のメリット

脱獄のメリットとして、まず機能が充実することが挙げられます。

具体的な例は前述しましたが、iPhoneを買い替えずに機能を増やし、より自由に使えるようになるのがメリットです。

脱獄したiPhoneは、AppStoreではなく「Cydia」などいった独自のプラットフォームを通じて、Appleの審査に通らなかったようなアプリもインストールできるようになります。

一度脱獄したiPhoneに慣れてしまうと、元のiPhoneでは物足りなく感じてしまうこともあるようです。

脱獄のデメリット

脱獄はとても便利なように見えますが、OSを改変してしまっているため、相応のリスクも発生します。具体的には、次のようなデメリットが挙げられます。

ウイルスに感染しやすくなる

脱獄したiPhoneはセキュリティが脆弱になり、ウイルスに感染しやすくなってしまいます。

脱獄は、デバイスの管理者権限を完全に取得できる行為ですが、同時に、第三者に管理者権限を奪われてしまう危険性もあります。

過去には中国を中心に、脱獄ユーザーの22万件にも及ぶパスワードが流出する事件も起きています。

脱獄したiPhoneのウイルス対策のアプリもありますが、非公認アプリは動作が不安定なことも多く、それが原因で逆にウイルスに感染したり悪意のあるアプリをインストールされたりしてしまう可能性もあります。

脱獄のデメリットのなかでも、セキュリティは特に大きな問題です。

バッテリーが減りやすくなる

脱獄したiPhoneは、様々な機能が使える分、バッテリーの消耗が早まってしまいます。

CydiaなどからインストールできるApple非公認のアプリは、端末を使ったテストを受けていないことが多くあります。

そのため、アプリによっては通常の公認アプリよりもバッテリーを大きく消費することがあるのです。

端末に不具合が生じることも

上記で示した通り、非公認のアプリは端末のテストを受けていないことがあるため、不具合を起こす可能性が高いです。

アップデートに時間が多くかかったり、処理速度が通常より下がってしまったりすることもあります。

「リンゴループ」と呼ばれる正常に起動できない状態に陥る可能性も高くなり最悪の場合、そのまま故障してしまうこともあります。

しかし、そういった場合であっても、自分で解決方法を調べなければなりません。

Appleのサービスを受けられない

脱獄したiPhoneは、不具合が起きたり故障した場合でも、Appleの保証サービスを受けることができません。

また、ソフトバンクやau・ドコモといった各キャリアの保証も、同様に受けられなくなってしまいます。

脱獄するということは、Appleや各キャリアの保証から外れるということなのです。

さらに、修理にも通常より時間や費用が多くかかってしまうため、長い目で見ても脱獄はリスクが大きい行為です。

トラブル時は自分で解決しなければならない

脱獄をすると、Appleや各キャリアの保証サービスを受けることができなくなってしまうので、不具合が起きた際は自分で解決しなくてはなりません。

しかし、ネット上にも情報は少なく、同じように脱獄した人を探すのも手間がかかります。

自分自身でトラブルに対応しなければならないため、メリットに対してデメリットはかなり重くなります。

技術や知識に自信のない人は、脱獄はしないほうがおすすめです。

そもそも脱獄は違法なのか

これまで脱獄のメリットやデメリットを見てきましたが、そもそも脱獄という行為は違法なのでしょうか。アメリカの場合と、日本での場合を解説します。

アメリカでは違法

Appleは過去にiOSの改変、脱獄行為に対して訴えを起こしています。

その際、2012年10月をもって正式にiPhone・iPad・iPod touchの脱獄は違法であるとみなされました。

つまり、脱獄はアメリカでは犯罪行為となります。

日本ではグレーゾーン

それでは、日本では脱獄はどのようにみなされているのでしょうか。

脱獄行為は、Appleのソフトウェアライセンス及び、ソフトウェア利用許諾契約に違反しています。

しかし、日本ではそれに対応する法律がないため、違法とは言えない、いわゆるグレーゾーンな状態にあります。

脱獄自体は犯罪ではありませんが、非公認アプリを利用して有料コンテンツを無料でダウンロードするなど、脱獄に付随した行為で違法となることもあります。 

また、今後対応する法律が作られた場合には、日本でも脱獄が犯罪になってしまうかもしれません。

脱獄する前の注意事項

これまで紹介したリスクやデメリットを理解した上で、脱獄をしたいという人は、脱獄を行う前に次の注意事項を確認してください。

デバイスに合う脱獄ツールを選ぶ

脱獄する際には専用のツールが必要です。脱獄ツールをインストールしたら、iPhoneとパソコンを接続し、手順に従って操作すると脱獄が完了します。

しかし、そのツールがiOSのバージョンやデバイスに対応していない場合、iPhoneが故障する危険があります。

その場合でも、Appleの故障対応サービスを受けることはできません。

主な脱獄ツールと対応するバージョンは以下の表の通りです。端末に合うものを利用しましょう。

iOSがアップデートされていない場合は、ツールに対応するようにアップデートを済ませておきましょう。

  iOSのバージョン デバイス
Yalu/Yalu102 10~10.2 iPhone5s、6、6plus、6s、6s plus、SE
Pangu 9.2~9.3.3 iPhone5s、6、6plus、6s、6s plus、SE
PPJailbreak 8.1.3~8.4 iPhone4、4s、5、5c、5s、6、6 plus

データのバックアップを取る

脱獄のツールは動作が不安定なことがあるので、操作の最中にトラブルが起きると、データが消えてしまうおそれがあります。

一度消えたデータを戻すことはできません。大事なデータを守るためにも、脱獄を行う前にはデータのバックアップを行いましょう。

また、デバイスの空き容量が十分に足りていない場合も失敗することがあります。

事前に容量についても確認しておきましょう。

バックアップ方法につては、「iPhoneのバックアップ方法と復元方法|iTunes・iCloud・カードリーダー」で紹介していますのでぜひご覧ください。

脱獄する以外の選択肢も考える

iPhoneの性能が進化している近年では、脱獄によるメリットは薄れていると言われています。リスクを鑑みて、脱獄を行う以外の選択肢についても考えてみましょう。

新しいiPhoneに買い替える

これまで見てきたように、脱獄には大きなリスクが伴います。長い目で見て考えると、新しくiPhoneを買い替える方が安全で便利に使うことができます。

最新のiOSはバージョンアップして機能が増えているため、脱獄のメリットは薄れてきていると言われています。

たとえば、テザリングの有効化やマルチタスクの表示、コピペといった機能はこれまで脱獄した人のみが使えるものでした。しかし、今では脱獄をしなくてもそのままのiPhoneで利用できる機能です。

また、公式で脱獄を疑似的に再現できるアプリも登場しています。

今より便利にiPhoneを使いたい場合は、購入費用がかかっても新しく買い替えるほうが、リスクがなく結果としてコストパフォーマンスがよくなります。

iPhoneの最新端末などについて「iPhoneの買い替えのタイミング|申し込み方法・最新端末情報まとめ」で紹介していますのでぜひ参考にしてください。

SIMフリーの端末を利用する

脱獄をする目的として、SIMロックを解除しSIMフリーの端末にしたいというものがあります。

その目的の場合も、端末の不具合や故障の可能性を考えると、新しく買い替えた方が安全です。

SIMフリーの端末ならば、格安SIM業者のサイトから通常のiPhoneよりも手頃な価格で買うことができます。

または「ファクトリーアンロック」という方法でもSIMロックを解除することができます。これは各通信会社ではなく、専門業者にSIMロックの解除を依頼する方法です。

これらの方は、あくまでSIMフリーにすることが目的なので、脱獄のような機能をすべて使えるわけではありません。

しかし、どちらにしても脱獄と比べて費用はかかりますが、リスクの低い方法だといえるでしょう。

SIMフリー端末の購入方法などについて「iPhone・iPadのSIMフリー購入方法とSIMロック解除について」で解説していますのであわせてご覧ください。

iPhoneの脱獄はおすすめしない

上述した通り、iPhoneの脱獄はリスクの大きい行為です。

iOSのバージョンアップで近年では脱獄のメリットは薄れており、面倒な手間や危険をおかしてまで行う必要があるのかも疑問視されています。

また、それらの危険に対して、すべて自らの責任で対処しなくてはならないこともデメリットです。

さらに、今後日本でも法律が整備されれば、脱獄自体が犯罪行為になってしまうかもしれません。

トラブルに対処する自信がない人はもちろん、今までに経験がある人であっても、脱獄はおすすめできません。

それでも、今よりもっと便利な端末を使いたい場合は、費用はかかっても新しく買い替える方が賢明だといえるでしょう。

【公式】カシモWiMAX

公開日時 : 2020年06月07日

菅野 辰則 ― ライター
菅野 辰則 ― ライター

最新ガジェット、家電、デバイスが大好物。秋葉原、ネットショップでコスパの高い中古端末に目を光らせている。iPhone・iPadを格安SIMとWiMAXで利用中。趣味はダンス、週4日のトレーニングを欠かさない。

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